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子どものしつけ、地域で応援 支援チームが訪問や講座

2007年10月26日

 子どもの生活習慣やしつけに悩む親たちを地域ぐるみで応援します――。文部科学省は来年度からこんな事業を始める。忙しくて地域の子育て講座や学校の保護者会に出られないなど、「学ぶ機会」がない親に対し、「子育てサポーター」らが「家庭教育支援チーム」をつくり自宅を訪問。相談に乗ったり、職場に出前講座をしたりする。

 初年度はモデル事業として全国600カ所で行うことを目標に、概算要求に22億1000万円を盛り込んだ。

 支援チームは小学校区ごとに置く。メンバーは、文科省が補助する研修を経て自治体から認定を受けた「子育てサポーター」「子育てサポーターリーダー」を中心に、民生委員、臨床心理士などを加えた5人程度でつくる。主な対象は小学生をもつ家庭。虐待の一歩手前だったり、子どもの生活習慣が乱れていたりする家庭に赴く。同省はチームの活動費などの助成をする。

 これと並行して、「子育てサポーター」らの手助けの質を高める狙いから、有識者の検討会を設け、標準的な養成カリキュラムやテキストを開発していく。

 親が子どもにしつけや生活習慣を教える「家庭教育」への支援に文科省が乗り出した背景には、安倍政権時代に改正教育基本法が成立、施行したことがある。一方、国が家庭に介入することになりかねないとの慎重論も識者らの間にある。

 文科省家庭教育支援室は「画一的方法を国が押しつけるのではない。地域ごとに工夫をするのは歓迎だ」としている。

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