「風味絶佳な日々」さんのところで、次のような本が今度発売されることを知りました。
『戦前の少年犯罪』
「少年犯罪データベース」というサイトの管理人さんが出される本のようですが、Amazonの内容紹介を見るだけでも、現代に見られる少年犯罪に優るとも劣らない(?)犯罪内容が書かれています。
ちょっと引用してみます。
昭和2年、小学校で9歳の女の子が同級生殺害
昭和14年、14歳が幼女2人を殺してから死体レイプ
昭和17年、18歳が9人連続殺人
親殺し、祖父母殺しも続発!現代より遥かに凶悪で不可解な心の闇を抱える、
恐るべき子どもたちの犯罪目録!なぜ、あの時代に教育勅語と修身が必要だったのか?
発掘された膨大な実証データによって
戦前の道徳崩壊の凄まじさがいま明らかにされる!
学者もジャーナリストも政治家も、真実を知らずに
妄想の教育論、でたらめな日本論を語っていた!著者について
ウェブサイト〈少年犯罪データベース〉主宰者。戦前、戦後の少年犯罪の事件データを網羅している。
国立国会図書館にこもって古い新聞と雑誌をひたすら読み続ける日々を送っている。
世間を震撼させるような殺人事件は、なにも戦後になって発生しはじめたわけではなさそうですね。
特に、「なぜ、あの時代に教育勅語と修身が必要だったのか? 」というフレーズは、かなり気になります(笑)
さて、「犯罪の低年齢化が進んでいるのか?」とか、「凶悪犯罪が増えているのか?」というようなテーマは、メディアリテラシーに絡めて語られることが多いように思います。下記のサイトなどはそのあたりの参考になりそうです。
・少年の凶悪犯罪は本当に増えているのか
・少年犯罪『報道』急増化データ
・“子どもたちが危ない”…数字的には「?」
昔はテレビがなかったこと、以前は事件の内容を伝えるだけだったニュース番組がワイドショー化して、アナウンサーがニュースキャスターとなり私見を混ぜて放送するようになったこと、視聴率稼ぎのためか、ことさらにセンセーショナルに被害者への同情を誘うような報道が増えていることなどが、犯罪が凶悪化しているように感じられる原因としてあげられるでしょう。
まぁ、現代と過去を比較するためには、事件の件数や少年の人口に対する比率なども併せて見ていく必要もあるかと思いますが、「少年犯罪データベース」をざっと覗くだけでも、個々の事件の内容については、戦前から凶悪なものは少なくなかったことがわかります。
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さて、ちょっと話は変わりますが、右派論壇では特に戦前日本社会へのノスタルジーが強いのか、戦後の日本の各種問題の根本原因を戦後教育に求める傾向があるように思いますが、よくよく考えてみると、その「因果関係」を明らかにした論は寡聞にしてお目にかかったことがないことに気づかされます。
現在起きている各種社会問題は、果たして戦前には考えられなかったことなのかどうか、この少年犯罪のデータを見ているだけでも疑問に思えてきます。
私利私欲に走る人間は戦後になって初めて登場したわけでもないでしょう。現代人の愛国心のなさを嘆く論調もありますが、戦時下のものと平和な現代とを比較すること自体、ナンセンスですし。
データの提示もないまま戦前と戦後の印象のみを比較して、「いったいなんでこんな日本になってしまったのか・・・」などと、現代社会を憂いてみても、それは案外的はずれなものになっているのかも知れませんね。
次回あたりからは、昭和初期の旧日本軍の「軍紀・風紀」について少し書いてみようと思っています。
旧日本軍は、その規律の正しさに於いて世界一であった・・・のかどうか?
慰安婦問題も1937年の南京事件も、どうやらそのあたりに鍵がありそうだからです。
(あくまでも予定ですが・・・)