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開発者インタビュー

 

W52SA開発秘話

スリムワンセグケータイ 「W52SA」の開発秘話について、企画担当の池上梨沙、設計担当の森塚佳明、デザイン担当の北村和生に聞いてみました。

スリムデザイン

W52SA

-薄くてシンプルなデザインですね。このW52SAのデザインコンセプトを教えていただけますか?

北村:デザインコンセプトは「Ingot(インゴット)」です。
「Ingot」とは金塊、延べ棒といった意味です。
今回、ワンセグとFeliCa®を搭載した携帯電話でありながらも、さらに薄型化を目指すべく試行錯誤を重ねました。
しかし、単なる薄い携帯電話ではなく、薄さの中にも存在感を表現するために、部品と部品との繋ぎ目を無くすなどして要素を極力減らし、一つの塊のように見せています。

-なるほど。また、カラーバリエーションを見ると、色だけでなく、素材も異なっているように見えるのですが、詳しくご説明いただけますか?

フィールブラック

北村:携帯電話のカラーバリエーションといえば、単に色が違うだけ、というものが多かったと思いますが、W52SAは、それに素材感の違いを加えたカラーバリエーションを展開しています。
例えば、フィールブラック。表面に、さらっとしたソフトフィール塗装を施し、手触りもなめらかに仕上がっています。ぜひ一度店頭で触ってみてください。
また、クラスターシルバーは、きめが細かいシルバーを塗り重ねて、シルキーな質感を出し、ライトブルーは、輝度の高い青色に仕上がっています。
ライトブルー また、ヒンジ部の塗装にもこだわりました。
フィールブラックを例に説明しますと、今までは、ヒンジ部の部品に黒色の塗料を塗り重ねるだけでしたが、W52SAは、ヒンジ部の素材自体を黒色に着色し、その上にクリア塗装を施すことで、深みのある色を演出しています。
また、ライトブルーのヒンジ部は不連続蒸着という技術を使用して着色し、 アルミのような色に仕上げました。

-ヒンジ部の塗装にまでこだわられたのですね。
また、W52SAの先端にある、赤外線ポート部分の「カラー赤外線パネル」が印象的なんですが、このカラー赤外線パネルを採用された経緯を教えていただけますか。

北村: 携帯電話の赤外線ポートといえば、黒色の部品が一般的で、なるべく目立たないようにしてきたのですが、W52SAでは、あえてその赤外線ポートをデザインのポイントにしようと考えました。
このカラー赤外線パネルの実現には、スキーやスノーボード用のゴーグルに使われている、紫外線をカットするというメガネ業界の技術から生まれた、赤外線だけを通す技術を応用しました。

カラー赤外線パネル

-カラー赤外線パネルを採用するにあたって、苦労した点はありますか?

北村:カラー赤外線パネルは、多層蒸着を施すことで、見る角度によって色が変わるという独特の質感を出しているのですが、多層蒸着は、表現できる色に制限があるため、それに合わせて全体の色や部品のバランスを調整するのに時間がかかりました。

森塚:また、カラー赤外線パネルにはアクリルという材質を使用しているのですが、アクリルの強度を確保するのに苦労しました。
そもそも、アクリルは強度が弱いので、これまでは、できるだけ面積を小さくして、衝撃がかかりにくくしていました。
W52SAは、アクリルの面積が大きくなり、落下時に衝撃を受けやすい先端に配置したデザインなので、カラー赤外線パネルの周囲を本体の部品で囲い、アクリル取り付け部の剛性を十分確保することで、衝撃を受けた場合でも、衝撃が周りの部品に逃げるように設計されています。

ワンセグ、FeliCa®搭載ながらも薄さを追求

スリムワンセグケータイ

-薄さを追求していく中で苦労された点はありますか?

森塚:W52SAは二軸ヒンジを採用しているのですが、二軸ヒンジは、折りたたみやスライドに比べ、薄型化に不利な構造なので、苦労の連続でした。

-やはり、厚みがでがちなヒンジ部の薄型化に、一番苦労されたのですね。

森塚:そうですね。二軸ヒンジは、ディスプレイを回転させるための部品なので、どうしても厚みがでてしまいます。
今までの二軸ヒンジの携帯電話は、いかにも「回りそう」に見えるものが多かったと思いますが、W52SAは、ヒンジ部品を極限まで小型化し、また、部品と部品のすきまを見直すことで、折りたたみやスライドの携帯電話と同等の薄型化を実現することができました。

新感覚のカメラ機能

すすっとスキャン

-カメラの新機能として、「すすっとスキャン」と「ぱぱっとパノラマ」が搭載されていますが、これはどういった機能なのでしょうか?

池上:「すすっとスキャン」とは、新聞や雑誌などの欲しい部分だけを切り取れるスキャン機能で、「ぱぱっとパノラマ」とは、パノラマ写真が撮影できる機能になります。
W52SAは、20代後半から30代の男性をターゲットとしていますので、ビジネスでも、プライベートでも使っていただける新しい機能は無いかと考え、搭載に至りました。

-実際に使われてみて、どうでしたか?

池上:まず、すすっとスキャンは、書類の中の必要な部分だけ保存できるので、ビジネスシーンでの活躍が期待できる機能だと感じました。例えば、残しておきたい新聞記事を、携帯電話のカメラ機能を使って保存する場合、普通に撮影すると、要らない部分まで撮影されてしまったり、新聞から少し離れて撮影する必要があるので、文字が小さく読みづらくなってしまったりすると思います。
すすっとスキャンなら、自分が欲しい部分だけスキャンできますし、新聞記事に近づいて撮影できるので、文字も読みやすく、スクラップするのに便利です。
ぱぱっとパノラマは、友達同士で撮影してみて、楽しくて盛り上がれる機能だと実感しました。普通のパノラマ写真だけでなく、工夫次第で、とても面白いパノラマ写真が簡単に撮影できるんです。
例えば、パノラマ撮影中、カメラのフレームから外れた後、再度カメラがフレームインする場所に移動することで、同じ写真に同じ人物が二箇所で写っているといった、面白い写真が撮影できたりもするんです。
実際にどのように撮影するのかを知りたい方は、こちらから、W52SAのムービーをご覧ください。
ぜひ皆さんも、楽しい写真を撮影してみてくださいね。

ぱぱっとパノラマ

-ありがとうございます。では最後にユーザーの皆さんに一言お願いします。

池上:ワンセグを搭載しながらも薄型化を実現した、どなたにも気に入っていただける携帯電話となっておりますので、どうぞ宜しくお願いします。



※FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
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