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潜水艦探知機期限切れ 海自の4.4億円分 検査院指摘

2007年10月29日17時06分

 海上自衛隊が、品質保証期限の切れた潜水艦探知機「ソノブイ」を使っていたことが、会計検査院の調べで分かった。在庫管理の不徹底が原因だった。期限切れのまま保管されていたものもあり、取り扱いが不適切だったソノブイは計約3200本(計約4億4000万円)に上るという。装備品の管理のあり方が問われそうだ。

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ソノブイの仕組み

 ソノブイは音波で潜水艦を捜索する機器で、ソナー(音波探知機)とブイ(浮標)が一体となった筒状のもの。哨戒機、ヘリコプターから海面に落として水面下の動向を探り、受信した情報は哨戒機などに送信する。04年11月、中国の原子力潜水艦が日本領海に侵入した際、海自の哨戒機はソノブイ約400本を海上に落とし、中国原潜の行方を追った。

 検査院によると、海自が使用していたソノブイの品質保証期限は3年だった。使用頻度が高く、適切に運用していた部隊もあったが、在庫管理が不十分な部隊では保証期限が守られてなかった。検査院が調査に入った時点で、期限が切れていたにもかかわらず潜水艦探知に使用されたソノブイは約3千本あり、約200本が期限切れのまま、在庫として保管されていた。保証期限が10年近く前に切れていたソノブイもあったという。

 検査院は、「保証期限が切れたソノブイを使えば、不具合が発生するおそれもある」として、海自に対し、ソノブイの保証期限を正確に把握し、適切に運用するよう注意を促した。防衛省は「期限が切れるとすぐに機能しなくなるわけではない」と釈明する一方、「今後は期限内に使うよう、適切に管理する」としている。在庫として残っていた期限切れのソノブイ約200本は演習用に使ったという。

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