救急車で運ばれる妊婦がたらい回しにされる問題ー。国の調査がまとまりました。
道内では去年、5件以上の病院に受け入れを拒否された妊婦が、8人いたことがわかりました。その背景には、妊婦側の問題もあるようです。
奈良県でおきた「妊婦のたらい廻し問題」。これを受けて国が行った調査によりますと道内では去年、救急搬送で5件以上の病院に拒否された妊婦は、8人いました。
このうち札幌市の妊婦は、11件の病院に拒否されましたが理由は「かかりつけ医がいない」つまり妊婦検診を受けていないためでした。
(道庁子ども未来推進室・立花理彦さん)「かかりつけ医のいない妊婦さんについては、道としても総合周産期母子医療センターや地域周産期センターに受け入れてもらえるよう要請していきたい」
全国的にも「かかりつけ医がいない」ことを受け入れ拒否の理由にあげる病院が目立ちます。胎児の体重や出産予定日などデータが全くない状況では、医師が受け入れを躊躇する実態がうかがえます。
(札幌産婦人科医会・遠藤一行会長)「リスクがわからない人を受けるというのは、相当な決心がいるわけですね。それなりのスタッフがいる病院ならいいですが、ちょっとした所では、とてもそう言うの受けても責任が持てないと言うことになる」「たらい廻すと言うよりも、責任が持てないと言うことの方が大きいと思いますよ」
搬送先が決まるまで30分以上待たされた妊婦も18人にのぼりました。産婦人科の医師不足が深刻となる中、検診を受けないことが妊婦のリスクを高めることを認識する必要がありそうです。
(2007年10月29日(月)「どさんこワイド180」) |