政府の「経済財政諮問会議」(議長・福田康夫首相)に日本経団連会長の御手洗冨士夫・キヤノン会長ら民間議員4人が提出した資料「給付と負担の選択肢について」に対し、日本医師会は10月29日までに、資料が示す1人当たりの医療給付費の伸びを問題視≠キる見解を発表した。
諮問会議に民間議員が提出した資料では、1人当たりの医療給付費の伸びを1.7%とし「現在の給付水準を維持し、負担が上昇したケースでは、2025年度の65歳以上の1人当たり医療給付費は77万円になる」と試算している。
これに対し、日医は厚生労働省の統計「国民医療費」に基づき、「最近の1人当たり医療費の伸びは1%以下であり、05年度には前年比マイナスの伸びになっている」と指摘。その上で「1人当たり医療費の伸び率をマイナス改定年を除いた伸びの平均値0.9%で推計すると、25年度の1人当たり医療給付費は68万円になる」とし、「医療費推計は、その前提次第で大きく変わるものであり、前提自体も常に変化することに注意した上で試算すべき」と批判している。
また、06年度の「医療制度改革」開始時点には、08年度の65歳以上の医療給付費を15.3兆円と見込んでいたものの、最近の資料では16.1兆円から16.4兆円になっていることについて「わずか1年で約1兆円、上方修正されているが、直近の1人当たり医療費の伸びは前年比マイナスになっており、上方修正すべき要因はない」と反発している。
一方、諮問会議の資料の中で「1人当たり医療・介護給付額が診療報酬や介護報酬の伸び、所得の上昇等を反映して、これまでと同様に増加することを想定」と表記されていることに関し、日医は「診療報酬の引き上げも考慮しているのであれば評価する」と述べている。
更新:2007/10/29 キャリアブレイン
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