神奈川県教育委員会が、県立高校の卒業式と入学式で君が代斉唱の際に起立しなかった教職員の氏名を校長に報告させていることについて、県個人情報保護審査会が「県個人情報保護条例が禁止する思想、信条に関する個人情報の収集に当たる」として、是正を求める答申を出したことが29日、分かった。
県教委は「答申を尊重する」として、2006、07年度の報告を破棄する方針。
県教委は06年3月の卒業式から、起立しなかった教職員の氏名を報告するように校長に指示した。
これに対し、教職員23人が報告をやめるように求めたが、県教委は「起立しなかった理由を聞いておらず、集めた情報は客観的事実で思想信条に関する情報に該当しない」との決定を出し、報告を続けさせたため、23人のうち16人が不服を申し立てた。