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【静岡】

『袴田事件再審の扉を』 出身地の浜松で支援集会

2007年10月29日

 清水市(現静岡市清水区)で1966(昭和41)年にみそ会社専務一家4人が殺害された「袴田事件」で、無実を主張し再審請求している元プロボクサー袴田巌死刑囚(71)を支援しようと、「袴田巌さんを救おう浜松集会」が28日、浜松市中区の福祉交流センターで開かれた。参加者らは、袴田死刑囚の出身地である浜松でも支援の輪を広げていくことを確認した。

 「浜松・袴田巌さんを救う会」が主催。渥美邦夫代表(72)は袴田死刑囚の小学校の同級生で、「袴田さんはすでに高齢で時間がない」と17年ぶりの活動再開を決めた。約80人が来場し、袴田死刑囚の姉の秀子さん(74)らのほか、ボクシング関係者も参加した。

 弁護団の中川真弁護士が「再審の扉を開かせるために」と題して講演。当時DNA鑑定が不可能だった証拠品の再鑑定を検討するなど、無罪の証明に向けた新たな試みについて説明した。

 一審静岡地裁で死刑判決を書いたが、今年に入り「無罪の心証を持っていた」と告白した熊本典道元裁判官は「間違って死刑(判決)にしてしまった責任を考え続けている」と話し、声をふるわせる場面もあった。

 同会は今後、毎月第2土曜日に勉強会を開くなど活動を展開するという。問い合わせは渥美さん=電053(588)0177=へ。

 

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