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HEPナビオ、27年の歴史に幕 (2/2ページ)
一方で、ナビオ周辺の路上に大音量の音楽を流しながら街を走る「ナビオ族」が頻繁に出没し、社会問題になったことも。15年の阪神タイガースのリーグ優勝時には大音響で「六甲おろし」を流す車も現れた。一帯はミナミの戎橋のようにナンパのスポットになり、治安回復のため警察も取り締まりに力を入れた。
閉館後は映画館を除いて休業。阪急百貨店本館が23年までの改装で売り場スペースが不足しており、地下1階〜地上5階の専門店は阪急百貨店の売り場にリニューアルする。レストラン街も一部を改装し、いずれも来年2月にオープン予定だ。
営業再開後もHEPナビオの名前はそのまま残る。新たに入る阪急百貨店の売り場は改装終了とともに撤退するが、その後の施設利用については未定という。
開館当初から営業するミセス向けのブティック「銀座マギー」で15年間店長を勤めた戎章雄さん(63)は「30年近く、ずっと通ってくれているお客さんもいる。自分が一番燃えていた時代をここで過ごした。お客さんから『寂しくなるわね』と言われて、ウルッときちゃいましたよ」と話す。
戎さんは東京に転勤した後、5年前に大阪に戻り、若い女性を取り込もうとリニューアルされた館内を見て「少し寂しくなった」という。
「いつかまた、必ずナビオに戻ってきたい。ここは僕にとって、いろんな思い出が詰まっている場所なんですよ」
館内は現在、最後のバーゲンを開催中。「ナビオはあなたを忘れない」「出会えたすべての人に、ありがとう」と書かれたポスターや看板が並び、長年ここに通った中年の女性客らが詰め掛けている。
大阪府豊中市の主婦、清水葉子さん(57)は「若い人向けばかりの店が街に多い中で、ここには気に入った店も多かったのに残念。また復活してほしいですね」と別れを惜しんでいた。