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HEPナビオ、27年の歴史に幕 (1/2ページ)
船のへさきに見立てた独特の外観で知られる大阪・梅田の大型商業施設「HEPナビオ」(大阪市北区角田町)が28日、閉館する。周辺にライバル施設が次々とオープンし客足が遠のいたことなどが理由だが、本館建て替え中の阪急百貨店別館として生まれ変わることになった。キタの“顔”として長年親しまれたナビオ。オープン当初を知る従業員や馴染みの客らに惜しまれながら27年余りの歴史に幕を閉じる。
昭和55年10月、ナビオ阪急としてオープン。三角形の土地に船のへさきに見立てた独特の外観が特徴で、ポルトガル語で「船」の意味を持つナビオと名付けられた。
地上10階、地下2階建てで映画館を併設。「大人の街」をコンセプトにブティックやレストランなど約120の専門店があり、オープン当初は3階にナビオ美術館が併設され、「都心の美術館」としてにぎわった。
平成10年10月には主婦層だけでなく若い女性客も意識した「母と娘で買い物できる施設」にリニューアルオープン。このとき、「HEPナビオ」に改名した。
HEPナビオを管理する「阪急阪神ビルマネジメント」の三井健史さん(34)は「大阪の商業施設では先駆的な存在。オープン当初はここにしかない高級ブランドなども扱い、大人の女性に人気でした」と当時のにぎわいを振り返る。
しかし隣接地の旧梅田コマ劇場の跡地に10年11月、世界初のビル一体型観覧車を併設した「HEPファイブ」がオープン。若者の客層を意識したライバル施設がその後も次々と登場し客足は減少。バブル崩壊で長引いた不況の影響などもあり、売り上げも徐々に落ち込んでいった。