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【なごやデパート情報】好調ナゴヤ 主戦場に 業界再編、勢力図に変動も2007年9月4日
松坂屋と大丸の経営統合に端を発した業界再編の流れは今後、名古屋の百貨店業界の勢力図を大きく塗り替えることになりそうだ。来年4月に経営統合する三越と伊勢丹は、名古屋に直営店や提携店を抱える一方、業界首位を明け渡した高島屋もグループ店を展開する。さらに好調な地域経済を狙って、丸井(東京)など他の百貨店の進出もうわさされており、「名古屋が再編の主戦場になる」(業界関係者)との見方も出ている。 「名古屋の百貨店の売り上げはピークより8%減った。今後の成長には、いち早くお客さまの人気、評判を高める取り組みが欠かせない」 3日、名古屋市中区栄の松坂屋本店。大丸の神戸店(神戸市)から異動した本多洋治新店長は厳しい口調で訓示した。同店は日本最大の売り場面積を誇りながら、ここ半年ほどは単月ベースで前年割れ傾向が続く。背景にあるのは、業界内の競争の激化だ。 名古屋の百貨店業界は2000年3月に名古屋駅前にジェイアール名古屋高島屋がオープンし、長年続いた「4M(松坂屋、三越、名鉄百貨店、丸栄)」体制に風穴をあけた。その後、経営不振に陥った名鉄百貨店は05年2月に伊勢丹と業務提携を結び、役員の派遣や店舗ノウハウなどを受け入れた。
今年3月にリニューアルオープンした名駅前の本店は紳士服専門の「メンズ館」を新設するなど伊勢丹色の強い店舗作りが評判を呼び、売り上げは好調。名古屋の百貨店関係者を驚かせた伊勢丹の手法は三越と経営統合することで「今度は三越名古屋店でもノウハウが導入される公算が大きい」とライバル店は戦々恐々としている。 丸栄は、高島屋が幹事社となり、情報交換や共同仕入れなどする共同体「ハイランドグループ」に加盟。今後の再編のかぎを握るとされる4大グループのうち、ミレニアムリテイリングを除く3グループが名古屋と関係を持つ。 さらに、百貨店業界が名古屋に注目するのは、自動車業界世界一を視野に入れたトヨタ自動車のおひざ元で、法人需要が見込める点。J・フロントの社長兼最高経営責任者に就任した大丸の奥田務会長は「外商に関するノウハウを吸収したい」と話し、トヨタの法人外商を得意とする松坂屋に期待する。 トヨタは「これまでの関係などとは無関係に、よい提案をしてくれる百貨店と取引する」と話すが、既に高島屋と伊勢丹の外商部隊の精鋭が東京から現地入りするなど水面下では、受注に向けた激しい争奪戦が展開されている。
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