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名鉄百貨店本館 メルサ セブン 3館統合 来月完成伊勢丹と商品共通化 新規76ブランド投入3館統合の大改装を終え、3月22日にオープンする新生・名鉄百貨店本館1階の完成イメージ図
名鉄百貨店は19日、名古屋駅前で大規模な改装を行っていた本館、セブン、メルサの3館を統合した新たな本店を3月22日に開業すると発表した。ファッションに強い伊勢丹との業務提携を通じて品ぞろえを強化し、改装効果によって、一宮店と合わせた百貨店全体で売上高1000億円を目指す。松坂屋が大丸との経営統合交渉に入るなど業界再編の観測が強まっているが、暮石彰社長は「(伊勢丹と)資本提携にまで踏み込むつもりはない」と話し、独自色を発揮した生き残りを掲げる。 (八木さゆり) 名鉄百貨店は、3館統合の改装に計108億円、バスセンターなど周辺整備を含めると計約200億円を投じてきた。「21世紀に勝ち残る、名古屋の玄関口にふさわしい店づくり」(暮石社長)を目指し、売り場面積は、4万9000平方メートルから7万平方メートルに増床し、課題だった建物間の移動のしやすさにも力を入れた。 商品面では、伊勢丹との提携効果によって、紳士靴や肌着の基本商品を共通化したほか、伊勢丹が扱う高級ブランドも展開する。子供用品にも自主編集の売り場を導入するなど、新規に76ブランドを投入する。伊勢丹から迎えた恩田宏三専務は「地域一番の店を目指したい」と意気込む。 名鉄百貨店は、ジェイアール名古屋高島屋が2000年に開業してから客足を奪われ、巻き返しの切り札として、03年に3館統合と売り場再編を表明した。名古屋鉄道グループを挙げて取り組んできたが、改装計画を進める中で、06年2月期には9億3000万円の債務超過に陥るなど、厳しい状況も続いてきた。 待望の3館統合の実現だが、名古屋駅前では、3月6日に超高層ビル「ミッドランドスクエア」が全面開業するなど、競争激化は必至の情勢だ。暮石社長は「郊外型の大型商業施設など、(百貨店の)置かれた環境は大きく変化し、お客の好みも多様化している」と、危機感を隠さない。 名鉄百貨店は、資本面での独自路線を強調する一方、伊勢丹との業務提携を生き残り戦略の柱に据えており、3館統合はその試金石と言える。「伊勢丹と共通化する商品(の比率)が高まることは間違いない」(暮石社長)と、さらに協力関係は拡大するが、今後は、物流や営業面など、業務システムの統合でどう提携効果を発揮し、筋肉質の経営体質にできるかが問われる。 独自の店作り追求したい記者会見する名鉄百貨店の暮石社長(右)
名鉄百貨店の暮石彰社長の記者会見でのやり取りは次の通り。 「(3館統合は)4期に渡るリニューアルの集大成としてグランドオープンを迎える。品ぞろえも、サービスも、環境も、地域ナンバーワンの百貨店を目指し、今後も全従業員が努力をし続けたい」 ――ジェイアール名古屋高島屋とは、どう違いを出すのか。 「同質のものを追求しても何の意味もない。(ミッドランドスクエア商業棟の開業などで)駅前地区の流通の競争は一段と熾(し)烈さを増していくだろうが、負けてはならない。名鉄独自の店作りを追求していきたい」 ――伊勢丹との業務提携のプラス効果は。 「プラス効果が出てくるのはこれからだ。業務システムの統合は、10月から正式に本格稼働する。売り上げ、業務効率の両面で効果が出てくると期待している」 ――大丸と松坂屋の統合交渉をどうみているか。 「大変、強い関心を持っている。再編のきっかけになっていくことはまず間違いないだろう。ただ、基本となるのは、地域のお客様に、いかに愛され、支持されるか、ということだ。私どもなりに独自の道を歩んでいけば、お客様の支持、信頼を得ていける」 (2007年2月20日 読売新聞)
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