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大阪・梅田「ナビオ」28日閉館、先端発信し27年大阪・梅田の商業ビル「HEPナビオ」(10階建て)が28日を最後に、映画館とレストランフロアを残して閉館する。1980年のオープン以来、幅広い年代の女性をターゲットに最新ファッションを発信してきたが、購買層の好みの多様化などに対応しきれず、ここ数年は客足が伸び悩んでいた。若者たちの待ち合わせ場所としても親しまれたナビオ。一つの時代の役割を終え、2008年2月に阪急百貨店「メンズ館」(仮称)として生まれ変わる。 「ナビオは、あなたを忘れない」。ビル入り口に、閉館セールの大きな広告。9月末から続いたセールが最後の週末を迎えた27日、館内は女性客であふれた。 「ナビオ阪急」として開館。ナビオはポルトガル語で「船」の意味で、へさきに見立てた斬新な外観が話題を呼んだ。約90のブティックが並び、女性の社会進出とともに新しい消費者層として注目され始めた「OL」らが、スーツやおしゃれ着を買い求めた。 洗練されたイメージから、学生たちは「合コン」の待ち合わせに使い、周辺に車で集まる若者は90年代、「ナビオ族」と呼ばれた。東京から進出した店が並ぶ1階は、いつしか「銀座街」との愛称に。 東京・渋谷に本店を置くイタリア料理店「壁の穴」は、開館当初からテナントとして入り、いち早く和風パスタを紹介。鈴川邦男・営業本部長(50)は「当時、タラコや納豆など日本の食材を使ったパスタは珍しく、一日中、満席が続いた」と振り返る。 しかし、バブル崩壊後は、低価格商品が支持されるようになったこともあり、ナビオの客足は伸び悩んだ。隣接地により若い世代向けの「HEPファイブ」が誕生(98年)すると、売り上げ減に転じたという。 閉館セールに来ていた兵庫県尼崎市の会社員女性(37)は「20歳代のころ、8階で映画を見たあと、下の階で買い物をするのがお決まりのデートコースだった。思い出深い」と言い、開館以来のテナントである「ブティックひでき」の村松順子店長(60)は「居心地がよく、自分の家のようなところだった」と寂しそう。 雑誌・書籍編集「140B」(大阪市)の江弘毅さん(49)は「ナビオは都会的センスにあふれ、まばゆい存在だったが、最近は品ぞろえなどで時代の変化を読み切れていなかったのかも。ただ、大阪・キタでファッションの一時代を築いたのは間違いなく、閉館は残念」と話している。 (2007年10月27日 読売新聞)
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