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【社会】東京特派員の眼 クール・ジャパン2007年10月28日 07時10分 日本のマンガ・アニメやゲーム、はたまた和食が、世界で人気をさらっています。「日本がクール(かっこいい)」と受け止められているのはなぜなのか。各国の「クール・ジャパン」の実態は。各特派員に聞きました。 ■朴 弘基氏 漫画・小説自然に受容 韓国の中高生、大学生を中心に四十代以下の世代は、日本の漫画や小説などを自然な形で受け入れている。「クール・ジャパン」という単語は使われないが、目に見えない形で大きな影響を受けている。 漫画の「ドラゴンボール」「スラムダンク」「ポケモン」は皆が知っているし、インターネット上には日本のドラマ愛好家のサイトが一万五千ほどもある。 韓国でベストセラー小説のトップ10のうち半数が、よしもとばななや村上春樹ら日本の翻訳小説で占められた時もあったほどだ。 「日本のものだからダメ」という雰囲気は薄れた。日本という国を意識することなく、作品や製品ごとに評価している。 金大中政権下で始まった日本の大衆文化開放後、懸念していたほど日本の映画や歌謡曲が韓国を席巻する事態は起きなかった。 逆に「韓流」として韓国の映画やドラマ、オンラインゲームは日本に受け入れられた。これが自信となり「いいものはいい」と考える土壌が育ったのではないか。 ただ、日本の漫画や小説には暴力的だったり性的描写が過激なものが少なくない。日本の作り手は世界に発信していることを意識しないと、日本文化全体が誤解を受けかねない。 ■王 開虎氏 アニメで学ぶ努力と意志 一九八〇年代に日本のアニメが中国に入ってきた。「鉄腕アトム」や「一休さん」が有名だった。ただ、そのころ最も多かった外国のアニメは、米国のディズニーだった。 それが九〇年代に入ると、日本アニメはブームになった。ある教育機関の調査では、現在、テレビで放映されるアニメは、国産が10%で、残り九割を占める輸入ものの大半は日本製だ。 教育機関の調査では、小中学生の五人に三人は日本アニメのファンだ。小学三年生の私の息子は、日本アニメは、まず画面がきれいだし、物語がおもしろいと言う。人気番組は、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ウルトラマン」といったところだ。 多くの教育学者や先生も人気の理由を研究している。彼らの分析によると、日本アニメはもはや単なるアニメではなく、社会の問題、人生の問題を取り上げている。人間の意志の力を強調し、困難を乗り越えるのには、どう努力すべきかを教えてくれる。 教育学者の間には、日本のアニメは暴力的だから禁止すべきだという意見もあるが、それは少数だ。昨年、テレビ局がゴールデンタイムでは日本アニメは放映しないと発表したところ、激しい反発を買って取りやめになった。 ■S・ヒギンス氏 高品質におごれば失敗 仕事で通っている台湾では、お菓子やカップめんのパッケージに、デザインとして日本語が使われている。それが格好いいと受け止められているのだ。ちょうど、日本で英語が使われているように。 五、六十年前、米国では「メード・イン・ジャパン」のイメージは「安かろう、悪かろう」だった。戦後の復興期、日本は何が何でも稼がなくてはならなかったので、かなりの劣悪品を輸出した。そんなところは、今の中国とよく似ている。 でも、競争相手が出てくるので、いつまでもそんなことを続けてはいられない。日本は品質を上げて差別化を図った。 ところが今、日本は失敗し始めている。韓国の家電メーカーは日本製と品質でひけをとらないものを輸出している。しかも、米国人の好みに合わせ、客が買いたい商品を売ろうと、マーケティングをしっかりやっている。目を外に向けた戦略だ。それに比べて日本メーカーは「うちの製品は品質が良いのだから、これに合わせてライフスタイルを考えなさい」という態度だ。 素晴らしい機能を持っているのに、ソニーの「プレイステーション3」が、新しい遊びを提供した任天堂の「Wii(ウィー)」に負けた例もある。日本はおごっていてはいけない。
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