2007年10月28日 [日]
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沖縄、全教科で最下位 全国学力テスト結果

教育

沖縄、全教科で最下位 全国学力テスト結果

 文部科学省は24日、小学校6年と中学校3年を対象に学年全員対象の調査として43年ぶりに実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。沖縄県の公立校の平均正答率は国語、算数・数学の各教科で全国平均を約5―15ポイント下回り、すべての教科で全国最低の数値だった。基礎的知識を問うA問題の平均正答率57―77%に対し、活用を問うB問題は48―64%と約20ポイント程度低く、全国と同様、活用力に課題が残った。
 仲村守和県教育長は今回の結果について「強い衝撃を受けている。厳粛に受け止め、県民総ぐるみの学力向上対策を強力に進めたい」と述べ、12月までに行政や有識者、教諭らで構成する県検証改善委員会を設置し、結果分析や対策を検討していく方針を示した。
 県の公立校の平均正答率は小学校国語A76・7%(全国公立平均81・7%)、国語B53・0%(同62・0%)、算数A76・3%(同82・1%)算数B54・3%(同63・6%)だった。中学校は国語A74・3%(同81・6%)、国語B64・0%(同72・0%)、数学A57・2%(同71・9%)、数学B47・6%(同60・6%)で、特に中学校数学はABとも全国平均と10ポイント以上の差がついた。
 中学校は、漢字の読み書きが全国と比べて10ポイント以上も低く、数学でも数と式や数量関係の問題で全国平均と差がついた。
 仲村教育長は結果の要因について「授業の形態や方法、生活習慣などいろいろな要素がある」とし、学力向上対策については「見直すべきところは見直したい」と述べた。多くの設問で無回答率が全国の2倍近い数値であることも指摘。「問題を解いていく粘り強さと意欲が欠けている」と懸念した。
 子どもの学習状況や生活環境調査の特徴としては、授業時間外に普段、全く勉強していない中学生が12・4%と全国の8・4%を上回ったことを問題視。一方で将来の夢や目標を持っている児童生徒が全国平均より高く、勉強や読書が好きな子どもたちの割合も比較的高かったことを評価した。
 検証改善委では今後、各市町村や学校の結果を分析するほか、学校改善支援プランを作成する。県教委は文科省に教諭の加配や予算、委員会への専門官派遣などを要請していく方針だ。
 市町村教委や各学校にも24日午後、文科省からテスト結果が届いた。

(10/25 9:36)