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【主張】NOVA破綻 不実な経営のツケが来た

2007.10.28 03:30

 英会話学校最大手のNOVAが会社更生法の適用を申請した。今年6月、誇大広告などで経済産業省から一部業務停止命令などの厳しい処分を受けてわずか4カ月、受講生離れが止まらず、資金繰りが悪化したのである。

 NOVAの手法は経産省の処分を受けた時点で厳しく糾弾された。

 同社は「駅前留学」「NOVAうさぎ」などのCMでイメージアップを図る一方、授業料が安い、自由に授業時間を選べる、教室が駅に近い−など利便性を強調し、業容を拡大した。

 ところが、実際は授業1回分に相当するポイントを事前に大量に購入させ、解約すれば返還金は減額していた。しかも、ポイントは一定期間を過ぎると失効し、未使用分は返還されない。急速な受講生増に比べて講師数が追いつかず、授業時間を自由に選ぶどころか、予約もままならず、ポイント消化ができない受講生も多かった。

 うたい文句と実態がこれほど異なれば信用は失われる。平成17年度で48万人いた受講生も現在は約30万人に、1000近くあった教室数も約670まで減った。

 NOVA再建の行方もさることながら、焦点は受講生の救済だ。前払い受講料は数百億円に達するもようだ。これをレッスン数に換算すると数千万回分にも相当する。しかも、会社更生法が適用されると、前払い受講料は、税金や従業員・講師への未払い給与より返済優先順位が低い。

 経産省は英会話学校の業界団体に受講生引き受けなどの支援を要請した。ただ、過去にNOVAほど規模の大きな英会話学校の破綻(はたん)例はなく、膨大な数の受講生を受け入れることができるか微妙だ。

 これでは授業料を前払いした受講生が泣き寝入りを強いられかねない。そうした事態を避けるため、NOVA自身はもちろん、経産省、業界が一体となって知恵を絞る必要があろう。

 相次ぐ食品偽装の発覚をはじめ、経営者のモラルが問われる事態が続出し、多くの場合は企業の存続にかかわる状況に追い込まれている。NOVAの破綻もその一つだ。モラルを忘れ、信用を失った企業の末路は悲惨である。この厳しい事実を企業経営者は改めて見つめなければなるまい。

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