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性的暴行被害者に残忍な韓国社会の対応(下)

密陽女子中学生集団暴行事件:被害者は家出、加害者には処罰なし

 その後、スジンさんはソウルで受け入れてくれる学校がなく、1カ月ほど学校に通えなかった。

 捜査と治療により、元の学校で学期当初に欠席が多かったため、転校を要請してもいつも門前払いだった。

 ある学校関係者は「問題があった生徒は受け入れないことにしている。深刻な病気にかかっているとか、社会的に問題を起こしたケースがあるとためらう」と語っていた、と番組は報じた。

 結局、スジンさんは弁護士の力を借りてソウルのある公立高校に転校できたものの、そこでもまたとんでもない事件に遭遇することになった。転校して1カ月足らずで、ある加害者の母親が学校を訪れ、「息子の少年院での処罰を減刑するために嘆願書を書いてほしい」とトイレにまで執拗に付きまとったのだ。

 こうして転校先でも性暴行の被害者という事実を知られてしまったスジンさんは、その衝撃で休学し、電話番号を変えて再び引越した。

 また、ひどいうつ病も再発し、嘔吐するまで食べる摂食障害の症状も出た。結局スジンさんは先月、誰にも言わずに家出してしまったと母親が明かした。

 一方番組によると、加害者の学生たちは1人も刑事処罰を受けていないという。

 蔚山地検は少年ら20人を処罰の対象とし、その内10人を少年部に送致して事実上前科が残らないようにした。検察が正式に起訴した10人も、釜山地方家庭裁判所少年部に送致された。

 結局5人が少年院の保護処分を受けただけで、残りの学生たちは全員自宅に戻ったというわけだ。

 加害者たちは現在3つの高校に在学中だが、学内で処罰を受けたのはそのうち1校の7人で、3日間の校内奉仕活動にとどまった。

 こうした実態について番組のスタッフは「性的暴行の加害者たちは何の変わりもなく普段の社会生活を送り、被害を受けた女性だけがまた別の被害を受けるケースが多い。韓国は性犯罪を犯しても堂々と生きていける国であり、密陽での女子中学生に対する性暴行事件の結末をみると、性犯罪者の天国という言葉を実感する」と感想を語った。

チョソン・ドットコム/朝鮮日報JNS
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