【ソウル堀山明子】韓国国家情報院の真相調査委員会は26日金大中(キムデジュン)拉致事件(73年8月)は当時の韓国中央情報部(KCIA)の犯行だったとする報告書をまとめたことを受け、同院内で記者会見し、「日本政府は韓国政府が否定したのを口実に政治決着し、日本国民をだました」などと日本政府を非難した。
安秉旭(アンビョンウク)委員長は、日本政府が主権侵害に対する公式謝罪や関係者の調書提出を求める動きを見せていることに対し「日本政府は韓国政府が関与したと知っていた。事実から再び逃げようとする態度は納得できない」と批判した。報告書の根拠となった調書などの提出については「韓国政府の判断」としながらも、「日本の再調査は韓国の資料を見なくても十分なはず」と日本側の内部資料で再検証することが先決との見方を示した。
安委員長は会見で、日本への謝罪について「外交問題にすべきではない」と慎重な姿勢を強調した。
毎日新聞 2007年10月27日 東京朝刊