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政府機関が税金無駄使い、法人カード使用額2兆ウォン

 相次ぐ設計変更で工事費は1兆5000億ウォン(約1920億円)も跳ね上がり、239億ウォン(約30億円)をつぎ込んで開発した技術は、その移転料がたったの4200万ウォン(約540万円)にしかならず、揚げ句の果てには法人カードで400万ウォン(約50万円)を引き出す始末…。政府部署やその傘下機関がどれだけ税金を無駄使いしてきたか、今年の国政監査が物語っている。国会予算決算委員会は18日、「2006年の決算報告書」を通じて予算を無駄使いしてきた事例760件に対し、是正措置などを要求した。これは、前年度に比べ38%増の数値だ。

◆法人カードでゴルフの費用充当

 昨年9月、A市長はゴルフボールと海外旅行用のかばんなど合わせて85万ウォン(約11万円)相当を法人カードで決済した。政府傘下のある機関は、ゴルフ場やキャバレーなどで約5500万ウォン(約705万円)を使用。これをすべて法人カードで支払った。1年間にわたり公共機関が使用した法人カードの使用額は実に2兆ウォン(約2560億円)に上るものと推定される。

 また、国営企業に勤める常務クラスのほとんどは、飛行機で移動する際にファーストクラスを使用した。政府では長官クラス以上だけがファーストクラスに乗ることになっている。国営企業の取締役は、滞在費として多いときで1日に600ドル(約6万9000円)も受け取っていたほか、旅行準備金の名目で最高2000ドル(約23万円)も要求していた。

◆「自分のお金でもないのに…」

 ハンナラ党の金映宣(キム・ヨンソン)議員は18日、情報通信部の国政監査で「情報通信部が2000年から07年にかけ、“民軍兼用の技術開発”に239億ウォンを投資したが、技術移転料として受け取った収入は4200万ウォンだけだった」と指摘した。これを回収率に換算すると、0.2%にもならない。また、ハンナラ党の鄭熙秀(チョン・ヒス)議員は建設交通部の国政監査で「五つの地方国土管理庁が、3年間にわたって道路の設計を506回も変更したため、工事費が17兆1000億ウォン(約2兆1920億円)から18兆6000億ウォン(約2兆3840億円)へと急増した」と話した。

 教育人的資源部所属の国際教育振興院は、ボイラーの整備など老朽化した施設の補修に充てるための予算を、ゴルフ練習場の建設に使用した。また、電子文書をバックアップするための予算とされていた4000万ウォン(約512万円)は、スポーツ器具の購入など、まったく関係ないところで使われた。

◆跳ね上がるインセンティブ、規定にない「お抱え運転手」まで

 韓国電力の六つの子会社の社長は、年俸の20%近いインセンティブ(成果報酬)を追加で受け取っていた。基本的に受け取るインセンティブまで合わせれば、これらの社長は1年間に1億ウォン(約1280万円)近いボーナスを受け取っていたことになる。これについて、大統合民主新党の呉泳食(オ・ヨンシク)議員は「韓電の経営実績は、インセンティブを受け取れるほど優れているとは思えない」と指摘した。

 また、福祉部傘下の機関では、取締役以上の役員に「お抱え運転手」を付けていた。これについて、ハンナラ党の金忠環(キム・チュンファン)議員は「こうした項目は規定にない」と主張した。国民年金公団で4人、健康保険公団で7人、健康保険審査評価院で6人と、計17人の「お抱え運転手」が雇用されており、これら運転手の年俸は一人当たり2300万-5400万ウォン(約290万-690万円)となっている。

ユン・ジョンホ記者

全洙竜(チョン・スヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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