株ラジブログ
倉澤・岩本が中心になり、市況のまとまった分析などストボ!TVで伝え切れないことを書いていきます。
「ライブドアは民事再生法の申請も考えていた」
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iwamoto | 2005.7.31(日曜日) 13:36
物騒なタイトルで恐縮ですが、そんなエピソードが今週号(8月1日号)の日経ビジネスに紹介されています。もちろん、あの裁判に負けた場合、ということですが、これまで日本の企業裁判の歴史になかったような事例だけに、気鋭の弁護士を集め、いわば背水の陣を強いたライブドアの執念・気迫が勝利の女神を呼んだ…ってなこと、ないか。
日経ビジネスの今週の特集は、企業間の紛争解決が法定の場に持ち込まれるようになってきたことを踏まえ、それを受け入れるべき裁判所の現実に迫ろうとしています。内容的には、マニアックなものなので、皆さんにお勧めはしませんが、個人的にはとても嬉しい記事がありました。実は、この特集と絡めて、「弁護士からみて評価できる裁判官」というアンケートをやっていて、その第一位に園尾隆司裁判長(現最高裁事務総局総務局長)が選ばれていました。
実は、イワモトは数年前、某会社の民事再生案件に関わっていた経緯があります。その時の、東京地裁で担当していただいた裁判長が園尾さんでした。当時、民事再生法は危機に陥った中小企業の再生(最近では個人でも使えます)のための法律として生まれたばかり。園尾さんは「民事再生法の生みの親」と弁護士から教えられた記憶があります。実際の運用に関しては極めて柔軟な指揮、という印象でした。私など、債権者の合意さえ得られれば、何でもありなのか(当事者の合意形成を重視する、という意味で…)と考えたほどです。文字どおり「会社の再生のための法律」というこの立法の趣旨もそこにあったのでしょう。そして、裁判所が「この会社、再生の見込みあり」と判断するかどうかで申請の可否が決まるという点も画期的なものだとおもいます。
そういえば、裁判長であるにもかかわらず、高等的でなく、とてもざっくばらんな語り口に好印象がありましたが、この園尾さん、東大落語研究会のOBなのだそうです。
園尾さんとの出会い(といっても、お付き合いがあるわけではありませんが…)が裁判や裁判所との距離を縮めることになりました。そして、その園尾さんをきっちり一番に選ぶ弁護士がいるということ。日本の法曹界はまだまだ信頼できるな、と思いました。
さて、株式市場はいよいよ8月相場。本当にサマーラリー、あるでしょうか。(イワモト)
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岩本さん こんにちは
今後もいろいろな事の解説をお願いします。
楽しみにしています。
Comment by 桜木町のぱく
— 2005.7.31(日曜日) @ 15:52
おはようございます。
今日も暑くなりそうですね。相場はもつと暑くなっても
いいでーす。サマーラリー期待してます。
Comment by momo
— 2005.8.2(火曜日) @ 07:31
弁護士からみて信頼できる裁判官の記事興味深く読ませていただきました。私も企業の法務担当として20年余法務担当をしておりましたので、その間裁判にも何度か立ち会いました。そのとき感じたのは、裁判官も自分の主義主張で裁判をやっているということです。自分が勝たせたいと思ったら、勝たせたい方の主張を積極的に取り入れ無理にでも勝たせるということです。裁判は衡平だと言われますが、決してそういうことはなく、また、裁判に負けると、あたかも自分たちは間違ったことをし、間違った主張を行ったかのような錯覚に陥りますが、決して悲観することはありません。裁判結果はたまたまその裁判官がそのように判断したにすぎないものです。その傾向は特に下級審において強いような感じがあり、従って一審の裁判結果が二審でひっくり返されることがよくあること皆さんご存知のとおりです。
Comment by 上昇一途
— 2005.8.2(火曜日) @ 09:13
今日の新興市場の下げはキツイですね
追証投げも加速しそうです
Comment by 神田
— 2005.8.4(木曜日) @ 12:22