政策的事業10%減/来年度県予算方針
県総務部は二十六日、二〇〇八年度県予算の編成方針を各部局へ示した。政策的事業を一般財源ベースで前年度比10%カット。残りの90%を各部局の判断で自由に編成できるよう枠配分し、各部局に主体性と責任を持たせた。削減した総額の5%の範囲内で重点事業特別枠を設け、各部は知事などに事業を提案し「三役の意見を反映できる」(財政課)ようにしたことが特徴。十一月下旬に各部局の概算要求をまとめ、来年二月上旬に内示、県議会二月定例会に提案する予定。
財政課の試算によると新方針による削減額は、政策的事業だけで約二十億円になる。予算編成の基本的な考え方として、産業振興や雇用創出、福祉医療の拡充、離島振興などの推進を県政の最重要課題として初めて位置付け。「県行財政改革プラン」(二〇〇六年度―〇九年度)の着実な推進、各分野における主体的な事業の取捨選択を前提に、限られた財源を緊急かつ重要な施策に重点的・効果的に配分することを盛り込んだ。
一般財源ベースで、那覇港開発推進費など対象事業は法令などで定められているが、事業量については自治体の裁量とされている義務的事業は5%削減。庁舎の維持管理費などの経費は前年度比15%減らし、感染症予防事業など一般的行政事業と各課の運営費はそれぞれ20%減らす。
財政課は県財政の中期見通しで、〇八年度から四年間で千二百六十億円の収支不足が生じると見込んでいる。病院事業会計の大幅な資金不足の顕在化や医療関係助成費の制度改正に伴う負担増を県財政の懸念材料に挙げている。
〇八年度の当初予算は一般財源ベースで、歳入が約三千五百三十五億円で歳出は四千六億円。収支差は四百七十一億円になる見込み。差額を埋めるため新税の創設やネーミングライツの導入で新たな自主財源の確保や、人件費の削減などさらなる行革の取組の強化が求められる。
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