偽ベストセラー。
「男性の品格」 親離れと子離れをテーマにした若者向け新書。品格なき親子がその言動で世のひんしゅくを買うも、改悛(かいしゅん)し、慣れない敬語を使って謝罪会見する場面はちょっと泣かせる。
◇
「財務省に告ぐ」 悪漢小説。自宅に帰れなければ路上で震えて眠れ、というのが書き出しだが、財務省に勤める主人公は居酒屋で出会った女性に「始発電車まで休憩させて」と頼んだため思わぬ展開に。男の所属が酒憩(しゅけい)局というのがミソ。
◇
「求めない」 詩集の著者は注目されずに大リーグ入りした投手。仙人の風情あり。詩の一節に「求めない--するとピンチが消えていく」。ボストンで売り上げ急上昇。
毎日新聞 2007年10月27日 13時04分