2007年10月26日
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●ロボットスーツのサイバーダインが受賞 |
第3回つくばベンチャー大賞の授賞式 |
つくば市や周辺の優れたベンチャーを顕彰するNPO法人つむぎつくば(代表・高木英明筑波大学大学院教授)の第3回つくばベンチャー大賞の授賞式が25日、同市内のホテルであった。大賞はロボットスーツ「HAL」を開発し、量産体制の準備を進めているサイバーダインに決まった。 同社は筑波大学大学院システム情報工学研究科の山海嘉之教授(49)が代表を務める。山海教授の研究成果を活用しHALを量産するため、2004年、同市内に設立された筑波大発ベンチャーだ。 HALは人間の筋肉が発する微弱電流をセンサーが感知し、筋肉が動き出す直前にスーツを作動させる。身体機能の拡張や増幅が可能で医療・福祉や介護分野などでの需要が見込まれており、来年春から同市内に研究開発と生産拠点を開設し、量産体制に入る。 今回は21社から応募があった。つくばを中心とした産官学の関係者らが選考委員となり、事業・技術の新規性と卓越性やつくばの研究機関の研究成果活用度などの基準で選考に当たった。 選考委員長の高木代表は「サイバーダインは山海教授によるサイバニクス研究から生まれたHALの開発で注目を浴び、学問的・技術って期独創性が世界的に高い評価を受けている。つくばから人類に新しい進化の奉公を開くものとして大賞にふさわしい」と講評した。 山海教授は「多くの人に支えられ、これまでのテクノロジーを社会へ還元し、人材育成と併せて事業創出ができるようになり、ベンチャーとして認められるようになった。この受賞を機に次の一歩を力強く歩んでいきたい」とあいさつした。 このほか、筑波大学大学院人間総合科学研究科の研究成果を基に、自宅で簡単に睡眠時無呼吸症候群の検査ができる機器「ソムニー」を開発した同市内のソムニクス(谷川武代表)など5社に特別賞が贈られた。 |
●特定外来生物アライグマを確認―土浦 |
里山を調査したNPO法人が会見 |
環境省が実施する「モニタリングサイト1000」の調査地域に選ばれ、NPO法人「宍塚の自然と歴史の会」(及川ひろみ理事長)が自然環境、生態系を調べている土浦市宍塚の里山でこのほど、特定外来生物のアライグマが確認された。25日、土浦市役所本庁舎で会見した及川理事長が明らかにした。 及川理事長によると、アライグマが確認されたのは9月18日。夜行性動物撮影用のカメラを里山内5カ所に仕掛けていたところ、常磐自動車道に近いカメラに写っていたという。10月13日と17日には、500bほど離れた大池のほとりで足跡が確認された。 県内では過去十数年の間に筑波山、旧八郷町、笠間市、境町でアライグマを確認、捕獲しており、今回の例は5番目。ただ過去の4例はペットが逃げ出したものと思われるのに対し、宍塚のアライグマは毛並みの様子から若い成体と推測され、里山で繁殖、育った県内初のケースである可能性があるという。 アライグマは北米原産で、ペットとして日本に持ち込まれた。見た目のかわいらしさとは裏腹に成長するにつれ気性が荒くなり、飼育途中で放置されるケースがあるという。野生化したアライグマは日本では天敵不在。生態系や農作物に被害をもたらすことから2005年4月、特定外来生物に指定された。捕獲した場合は処分しなければならないという。 県自然博物館の山崎晃司首席学芸員は「宍塚のケースは複数生息が考えられる。今後は生息数や生息範囲の把握、捕獲作業を早急に行い、以降、捕獲効果のモニタリングを長期間実施する必要がある」と話している。 及川理事長は「アライグマは貴重な種を含むカエルなどを餌にし、生態系への影響が心配される。急激に増えたことで深刻な被害が出ている県もあり、早く手を打たないと大変なことになる。アライグマに限らず、外来生物を自然に放すようなことはやめてほしい。宍塚の里山でアライグマを発見したら連絡を」と呼び掛けている。 連絡は、県自然博物館(電話0297・38・2000)まで。 |
●インドでの世界湖沼会議に知事出席 |
霞ケ浦市民協会の会員も研究発表 |
橋本昌知事は26日から11月2日まで8日間、第12回世界湖沼会議に出席するためインドに海外出張する。 会議はインド・ジャイプル市で29日開会。知事は開会式で「いばらき霞ケ浦賞」を5人の研究者に授与する。 同賞は途上国の優れた研究を支援しようと5年前に設立。副賞は30万円。 湖沼会議には飯野重男県議会議長、県民など計26人も参加する。 県霞ケ浦環境科学センター研究員や霞ケ浦市民協会の会員も研究発表する。 |
●道徳教育推進で研究発表―石岡 |
城南中で公開授業やシンポジウム |
石岡市高浜の同立城南中学校(村山憲司校長)で25日、道徳教育の研究発表会が開かれ、1、2年生は各教室で公開授業、3年生は武道館で、福祉体験を振り返りながら、思いやりの心や感謝の気持ちについて意見交換するシンポジウムを行った。 文部科学省の委嘱事業として06、07年の2年間「児童生徒の心に響く道徳教育推進事業」を展開。その仕上げとして授業を公開しながら研究成果を発表した。 道徳教育が見直される中、本県では高校生の道徳教育を必修化するなど、先駆的な取り組みが続くが同校でも国の委嘱事業を通じて道徳の時間と体験活動の関連を図り、体験を通じて道徳的な観念、考え方を育てながら互いに考え合う授業展開を試みた。 3年生は、実際にお年寄りの生活する市内の福祉施設を訪れて、ふれあい体験しながらお年寄りとのコミュニケーションに努めた。授業では、その体験をもとにお年寄りの発した「ありがとう」の言葉の意味や、それを受け止めた生徒の感慨、感想などをもとに展開。さらに「良い心を持った大人になってほしい」と言われた生徒の体験から、良い心とは?について意見交換した。 生徒たちからは「人に思いやりを持ち接する心」「お年寄りの面倒を見るのは当たり前と言われ続けてきたので、当たり前の心」「無条件に思いやれる心」など、思い思いの意見が出され、締めくくりには授業を振り返っての感想をメモにまとめた。 福祉体験について生徒たちは「普段、体験できないことができて勉強になった」「お年寄りに真剣に接すれば心が伝わると感じた」「『ありがとう』と言われたことが本当にうれしかった」などの感想を話していた。 |
●暴行の伊奈教諭を停職処分 |
バドミントン部の女子部員にケガ負わせ、事件を隠ぺい |
県教育委員会は25日、部活動の合宿中、女子生徒4人を正座させて足でけり、3年生(17)の顔に全治1カ月のけがを負わせ、さらに事件を隠ぺいしようとしたなどとして、県立伊奈高校バドミントン部元顧問の44歳の男性教諭を12カ月の停職処分、32歳の男性教諭をそれぞれ26日付で戒告処分とすると発表した。2人は当時、酒を飲んでいたという。 県教育庁によると、合宿最終日の7月22日午前0時ごろ、32歳の教諭が男子部員と一緒に花火遊びをしていた際、教諭が投げたロケット花火が、周りで見ていた女子部員に向かってきたことから、合宿所に戻った女子部員3人が教諭に対し「危ないから止めてほしい」などと抗議した。 監督室で未成年の卒業生2人と酒を飲んでいた44歳の教諭が、抗議の様子を見て、先生に口答えをしていると受け取り、女子部員13人全員を合宿所玄関前の廊下に正座させ、そのうち4人の女子部員を足でけったという。 44歳の教諭はビール1本と焼酎2杯程度を飲んでいた。全治1カ月のけがをした部員は口の中を切り、顔が相当はれ上がったという。ほかの3人は、肩を1回から数回けられたが、けがはなかった。 教諭は午前3時ごろまで部員全員を寝かせず、ミーティングをさせた。けがをした部員は、ほかの部員が保健室から持ってきた氷を顔に当てて翌朝まで冷やしていただけで、翌日から通院治療を続けた。 22日朝、生徒を暴行した44歳の教諭は自宅に戻り、合宿所に残っていた32歳の教諭の携帯電話に「このままではまずいからお前に任せる」と指示。32歳の教諭は、保健室から持ってきた薬を、けがをした部員に渡しながら「どうしたらいい」と事件の隠ぺいを相談。部員同士で話し合いをさせ、滑ってバドミントンのポールにぶつけてけがをしたことにするよう指示したという。 伊奈高女子バドミントン部は今年、県高校総体で初優勝。7月29日から開かれるインターハイに出場するための合宿だった。暴行を受けた部員4人はいずれもレギュラーで、インターハイに出場したが、1回戦で敗れた。 その後8月18日、父親が来校。44歳の教諭に対し説明を求めてきたことから、教諭は20日、再び部員全員を集めて、ポールにぶつけてけがをしたことで口裏を合わせるよう、再度、隠ぺいを指示したという。 校長は9月3日に父親から直接話があるまで、事件を知らなかった。9月10日、校長と教頭、44歳の教諭が、けがをした生徒の自宅を訪れ謝罪。父親は警察に傷害事件として告訴することも検討しているという。 県教委は、44歳の教諭が復帰するに当たっては、停職処分のほかに6カ月間、研修センターで研修を受けることも課した。校長にも管理監督責任があったとして文書訓告とした。この教諭は顧問を辞め、9月10日から自宅で自主的に謹慎しているという。 県教育庁は「非のない生徒に暴力行為に及んだことは大変申し訳ない。今後こういうことがないよう、より指導を強めたい」としている。 |
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