日本赤十字社県支部(支部長・潮谷義子知事)は5日、希少な血液型Rhマイナスの献血に貢献してきた「熊本県Rh(-)友の会」に感謝状を贈った。同会は同じ血液型同士が互いに助け合おうと34年間にわたり活動を続けてきたが、国内の献血体制が充実したことから今秋の解散を決めた。愛甲三郎会長(71)=熊本市=は「この血液だから知り合える仲間がいた。“マイナス”を“プラス”に変えることができた」と振り返った。

 Rhマイナスは日本人では200人に1人しかない血液型。1960年代半ばごろまでは輸血用血液が不足することが多く、全国で「友の会」が結成された。現在も存続しているのは、ほかに愛知県の団体だけという。

 熊本県の「友の会」は73年に結成。年間100人以上の会員が緊急の献血に協力したり、鹿児島からの要請で提供した輸血用血液をパトカーがリレーして運んだこともあった。一方で「Rhマイナスは病気」という偏見を正すため、血液型の仕組みを解説した会報を発行するなど啓発活動にも取り組んだ。

 近年は日赤が管理する献血登録者も増え、「友の会」を通じての要請は減少。会員数はピーク時の半分以下となる1339人(3月末現在)となり、会員の高齢化も進んだことから、6月の総会で解散を決めた。

 感謝状の贈呈式は県庁であり、日赤県支部副支部長の金沢和夫副知事が愛甲会長に手渡した。愛甲会長は「今後は個人の立場で日赤に協力したい」と述べ、「友の会」活動資金から50万円を日赤県支部に寄付した。

=2007/09/06付 西日本新聞朝刊=