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米軍基地移転:今度は地元建設業界の反対で暗礁に(上)

 米軍基地の移転を受け入れる見返りとして、2015年までに18兆8000億ウォン(約2兆3586億円)もの補助金が下り、韓国有数の「金持ち自治体」になるはずの京畿道平沢市が今、ただならぬムードに包まれている。同市と国防部が、公共事業に関する入札を行う際、地元の建設業者にメリットを与えることを盛り込んだ法案を策定しようとしたが、行政自治部・財政経済部・建設交通部などが反対し、暗礁に乗り上げたためだ。そのため、在韓米軍基地移転に向けた初の本格的な工事となる、基地の敷地造成工事の起工式(11月13日)を前に、同市では脅迫めいた言葉が飛び交っている。例えば、大韓建設協会京畿道支部平沢市協議会のチョ・ソンボム会長は「こんなことで予定通り米軍基地の着工に漕ぎ着け、順調に工事が進むと思っているのか。こんな状況で工事を進めるのなら、パワーショベルやダンプで起工式の会場に乗り込んで、会場をメチャクチャにしてやる。平沢市民は米軍と政府に土地だけ提供して、あとはただ指をくわえて見ていろというのか」と発言した。

 このほかにも最近、同市周辺の建設業界や市民団体などを中心に、「米軍基地の建設工事をボイコットしよう」という発言が頻繁に飛び交っている。今月17日には市議会や市民団体も加勢し、建設業界とともに頭を丸めて決起大会を開いた。さらに市議会は25日、追加予算案の審議で、新しい米軍基地への進入路建設費47億3000万ウォン(約5億9342万円)を全額削除した。市議会までが加勢し、新しい米軍基地の建設工事にストップをかけようとしているのだ。

◆平沢市の中小建設業者、280%も増加

 平沢市はなぜこうなってしまったのだろうか。現在、同市には全国から中小の建設業者が集まり、熾烈(しれつ)な競争を繰り広げている。2004年12月31日に「平沢支援特別法」が制定される前、同市に登録していた建設業者の数は308社(一般建設業者41社、特定分野の建設業者267社)に過ぎなかった。ところが今月22日現在、建設業者の数は804社にまで増えた。わずか2年10カ月の間に500社もの建設業者が登録したというわけだ。同市関係者は「ここ2、3カ月の間に、全国各地から建設業者が集まり、1日に1社が新たに登録するような状況だ。最近は建設業者が増えているため、市役所周辺で事務所を借りるのも難しくなっている」と話す。全国の建設業者が同市に集まるのは、米軍基地の移転を受け入れた見返りとして、政府が同市に18兆8000億ウォンもの補助金を交付する、と発表したためだ。

平沢=李錫雨(イ・ソクウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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