現在位置:asahi.com>国際>北米> 記事

燃料棒取り出しで合意 米・北朝鮮、核施設無能力化で

2007年10月27日15時19分

 北朝鮮が非核化の第2段階で行う核施設の無能力化をめぐり、米国と北朝鮮が寧辺の黒鉛減速炉から燃料棒の取り出しや2次冷却システムの撤去を行うことで合意していることが25日、分かった。複数の外交筋が明らかにした。燃料棒や撤去した設備は海外に搬出せず、北朝鮮で管理下に置くという。

 無能力化の方法をめぐっては、国務省のソン・キム朝鮮部長が率いる米国専門家チームが11〜18日に訪朝、北朝鮮側と話し合った。

 外交筋によると、取り出された燃料棒は貯蔵プールに移される。核拡散活動を監視する米民間研究機関、科学国際安全保障研究所(ISIS)のオルブライト所長らによると、燃料棒がプールに移されてぬれた状態になると原子炉に戻すことは極めて難しくなる。北朝鮮が新たに燃料を製造するには半年から1年程度かかるといい、この期間の無能力化に相当する。

 黒鉛減速炉は核分裂で発生した熱を二酸化炭素で冷ましている。この過程で熱を持った二酸化炭素をさらに水で2次冷却している。このシステムがなければ原子炉の温度が上昇して暴走する危険があり、安定した運転ができなくなる。

 米朝はほかにも無能力化のいくつかの方法で合意しているが、最終的な合意には至っていない模様だ。6者協議の米首席代表、ヒル国務次官補は30日からの訪中で米朝協議を開き、できるだけ多くの措置をとるよう北朝鮮側に改めて働きかけると見られる。

PR情報

この記事の関連情報

このページのトップに戻る