掲載 : 「諸君!」2001年6月号
2001.06.01

「四騎の会」は何を考えているか - 1

派閥の論理で動いていてはお先真っ暗。政治家は今こそ、将来のビジョンを国民に示せ!

石原伸晃 塩崎恭久 根本匠 渡辺喜美

四騎、早春に起つ

石原:

「四騎の会」について、あちこちのメディアで話題になっています。「石原新党の中核部隊か?」なんて穿った見方までされるようになりましたが、これほど大きく取り上げられるとは夢にも思っていなかった。これは根本さんの責任だから、彼に説明してもらいましょうか。

根本:

えっ? ・・・まあいいか(笑)。われわれは、石原さんと親しくしているうちに、お父上の石原慎太郎都知事とも、お付き合いさせていただくようになりました。それで3月13日、たまたま自民党大会の日だったんですが、その晩に食事をご一緒させていただいたとき、僕が冗談で「もうひとつの党大会ですね」なんて言っていたら、都知事が「君たち、『ヨンキの会』をつくれよ」とおっしゃった。初めは「四期の会」だと勘違いして、石原さんは当選四回だから四期だけれども、僕が三期、(渡辺)喜美さんが二期、塩崎さんが二期プラス参院一期で三期だから合わないなあ、と思っていましたが、そのうち都知事が、喜美さんのお父さんのミッチー(故・渡辺美智雄元副総理)さんは頭のいい人だった、なんて青嵐会当時のお話をされたから、若くて生きのいい奴らという意味で「四騎」か、それは面白いからつくろうということになったんです。

渡辺:

出典? さあ、それはよくわからないんです。

塩崎:

一方的にネーミングされただけ。

根本:

僕らにとっては父親の世代にあたるので、「つくれ」と言われると、つい「はいっ」と答えてしまう(笑)。

石原:

後で人から聞いたところでは、むかし黒澤明、木下恵介、小林正樹、市川崑の四人の映画監督が、映画会社に頼らず自分たちでよい映画を撮るためにつくった会らしいです。

根本:

なるほど。とにかくそれで結成したんですが、直後の3月18日に、僕の地元の郡山で「早春の集い」という集会があった。

石原:

その集会にこの4人で出ることは以前から決まっていたんですが、せっかくだからお披露目をすることにした。

根本:

4千人ほど入った会場で、4人のバトルトークをやりました。政局編が30分、政策編が30分で、最後が「四騎の会」の立ち上げです。結成のエピソードを話して、西から四国の塩崎恭久、東京の石原伸晃、関東の渡辺喜美、不肖私、東北の根本匠ですと、改めて順番に紹介して、一人ずつ立ち上がったら、会場はウワーッと盛り上がりましたね。終わったあと、それまで自民党に批判的だったという女性から、「この4人なら自民党も変わるだろうし、好きになりそう」と言われました。

石原:

あくまで地元サービスのつもりだったんですよ。そうしたら、地元紙の一面に出てしまった。

塩崎:

4人が手をつないで挙げている写真入りで。

石原:

全国紙にも載ったから、野中さんや古賀幹事長が、「一体何をやる気だ!」と目を光らせはじめた。4月11日の両院議員総会でも、総裁選の方式について喜美さんが発言したけれど、あの4人組がつるんでやっていると思ったに違いない。