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妊婦搬送拒否が増加傾向/神奈川県内
- 社会
- 2007/10/27
県内の救急隊が医療機関から三回以上、妊産婦の受け入れを断られたケースは、二〇〇六年は百五十四件に上った。八十六件(〇四年)、百三件(〇五年)と年々増えており、周産期救急のリスクの高まりを如実に示している。
総務省消防庁が公表した県内の件数には、県集計に含まれていなかった横浜市のデータが新たに加味された。
それによると、一回以上拒否のケースも増加傾向で、〇四年は三百七十五件だったが、〇五年が四百四十三件、〇六年は四百八十四件だった。
〇四年以降で、十回以上拒まれたケースは横浜や川崎、藤沢であり、一一九番通報から搬送完了まで二時間半近くかかった例もある。
県内の消防は医療機関の受け入れ拒否が増加する背景として、分娩(ぶんべん)施設の減少で産科医の手が回らないことに加え、かかりつけ医のない妊婦の「飛び込み出産」を挙げる。各消防の救急担当者は「検診を一度も受けていない妊婦は敬遠されがちで、受け入れ先がなかなか見つからない」と明かし、そのリスクを指摘する。
県産科婦人科医会(八十島唯一会長)が県内八カ所の産科救急基幹病院で扱った飛び込み出産の件数を調査したところ、〇六年(四十四件)は〇三年(二十件)の二倍超に。〇七年は四月までで三十五件に上り、年間では百件を超えると推計している。飛び込み出産をするのは、妊娠が病気ではないため検診を軽視したり、その費用を惜しんだりするためとみられている。
八十島会長は「検診を受けていないと体の状況が分かりにくく、対応が難しい。安全なお産のため、妊娠の兆候があったら早めに受診を」と訴えている。
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