世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトル戦で亀田大毅選手(18)=協栄=が反則行為を繰り返した問題で、協栄ジムの金平桂一郎会長(41)は26日午前、東京都新宿区内のジムで会見し、大毅選手の父史郎トレーナー(42)から25日深夜に電話で辞任の申し出があり、それを受理したと発表した。金平会長は「当初は解雇する方針だったが、本人の辞意を受けて決めた」と話した。
金平会長は大毅選手に厳重注意と練習再開時に改めて謝罪会見をすること、試合のセコンドを務めた兄興毅選手(20)には3カ月の試合出場を自粛させる処分を科した。史郎氏は日本ボクシングコミッション(JBC)からセコンドライセンスの無期限停止処分を受けて選手の指導を禁じられており、日本プロボクシング界とのかかわりを事実上断たれた。
◇反則指示を小声で認め
会見には興毅選手が5分遅れて同席し、「内藤(大助)選手におわびしたい。自分も含め、大毅、おやじの言動など深く反省している。亀田家を代表しておわびしたい」と謝罪。自身がタイトル戦の十一回開始前、「ひじでもええから目へ入れろ」と大毅選手に指示したことについて、「舞い上がって、頭の中が真っ白になっていた」と釈明した。「反則の指示をしたと認めるのか」との問いに、小声で「はい」と答えた。
JBCは15日の倫理委員会で、史郎氏に対して反則行為の責任や相手陣営への威嚇行為などでセコンドライセンス無期限停止処分。大毅選手はボクサーライセンスの1年間停止、金平会長はクラブ・オーナーライセンスの3カ月間停止、興毅選手は厳重戒告の処分をそれぞれ受けた。東日本ボクシング協会は同ジムに亀田家に独自の処分を下すように要求していた。【来住哲司】
◇謝罪「一歩進歩」文科相
渡海紀三朗文科相は26日の閣議後会見で、興毅選手の謝罪会見について「一歩進歩だと思う。まだ若いわけだから、謝罪をして(再び)チャンスが与えられていい」と述べた。
毎日新聞 2007年10月26日 9時56分 (最終更新時間 10月26日 13時38分)