2007年10月02日 更新

グラブ叩きつけたぁ!下柳が秀太エラーに“怒”気まずい10勝

下柳は立て続けにグラブをバシッ!五回一死満塁の遊ゴロで併殺が取れずまたキレた

下柳は立て続けにグラブをバシッ!五回一死満塁の遊ゴロで併殺が取れずまたキレた

【上】発端は一死一、二塁の秀太のエラー【下】これに下柳はグラブをこのとおり

【上】発端は一死一、二塁の秀太のエラー【下】これに下柳はグラブをこのとおり

 (セ・リーグ、横浜7−9阪神、23回戦、阪神14勝9敗、1日、横浜)商売道具のグラブを地面に投げつけて、怒りをあらわにした下柳が試合後はショゲ返っていた。出てきたのは反省の弁ばかり。「あんな態度とっちゃいかんわな。みんな一生懸命やってくれてるのに…」と野手に当たり散らした自分を責めた。

 怒りが爆発したのは5−0で迎えた五回の守りだ。一死一、二塁から仁志に131キロのシュート。二塁ベース左への遊ゴロに打ち取ったはずが、秀太がファンブルして一死満塁。まさかのエラーで窮地を招き暴発した。

 伏線は直前の一死一塁の場面。二ゴロを関本が併殺を狙って二塁に送球した。和田守備走塁コーチが「あれはアウト。いいプレーなんだから」という際どいタイミングだったが、セーフの判定で野選になる。

 秀太のエラーで傷口を広げた形だが、その一死満塁から再び守乱。ゲッツーを狙えそうだった相川の遊撃正面の当たりが併殺崩れとなり、三走の内川が生還。ここで下柳は再びグラブを地面に投げつけた。

 ベンチも内野も凍りつく緊迫モード。野球帽をかぶった野球少年たちもスタンドにはいた。決してほめられた行為ではない。動いたのは岡田監督だった。5回3安打1失点、88球と余力十分の下柳を降ろし、2番手の渡辺を投入した。

 「暴れすぎたから、代えたんよ」と指揮官。CS進出決定と同時に、下柳の3年連続の2ケタ勝利がかかった一戦。「それだけ気持ちが入っていたということ」と女房役の矢野が擁護し、「2つ(ミスが)続いたから。それだけ試合に入り込んでるんでしょう」と沼沢常務取締役球団本部長が不問としても、チームの和を乱すような態度は許せなかった。将が据えたお灸の意味を感じ取った下柳は猛省した。

 「アカンよ、こんなんじゃ…。四球を出しといて、人に言える義理じゃない」。そもそもは五回の先頭打者を歩かせた自分も悪い。雨降って地固まる−。13日のCS初戦の先発も濃厚だ。日本一に向けて、仕切り直しの虎が結束を固めた。

(大沢謙一郎)

★秀太「反省するしかない」

 “激怒事件”の原因を作った秀太は「ミスしてしまったのは、反省するしかない」と肩を落とした。右脇腹への死球の後遺症に苦しむ鳥谷に代わって、星野監督時代の03年9月13日の中日戦(ナゴヤD)以来となるスタメン。関本の野選となったプレーには「あれは許されへんけど」とジャッジに納得いかない様子だったが、久しぶりのスタメンで堅実性を出せずに、表情は硬かった。