北京五輪、大気汚染で競技延期も　ＩＯＣ調整委

2007.10.26
Web posted at:  17:04  JST
- AP

北京（ＡＰ）　０８年北京五輪へ向けた準備を点検する国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）調整委員会が今週、北京で開かれ、大気汚染のために一部競技が１‐２日延期される可能性があらためて指摘された。

調整委のフェルブルッゲン委員長は２５日の会合で、北京側の準備はおおむね順調に進んでいるとの見方を示す一方、「特に懸念されるのは、大気汚染が選手のパフォーマンスに及ぼす影響だ」と述べた。このため屋外の競技については、当日の大気の状態をみて日程を変更することもあり得るが、「通常の範囲内の措置」にとどまる見通しだという。

また、国連環境計画（ＵＮＥＰ）は同日、北京の環境調査報告書を発表。当局が１２０億ドル（約１兆３７００億円）の予算をかけて環境対策に取り組んできたことを高く評価する一方で、「予想を上回る成長」のために大気汚染が加速し、対策には「遅れ」が目立つと指摘した。北京では昨年、大気汚染の主要因とされる浮遊粒子状物質（ＳＰＭ）の平均濃度が、世界保健機関（ＷＨＯ）の基準値の８倍にも達していたという。

ＩＯＣのロゲ会長はこれまでに、大気汚染による競技延期の可能性にも言及している。２５日の演説でも、「選手にはきれいな空気と健康的な条件が必要だ」とする立場をあらためて強調した。