全国でホテルやマンションを経営するアパグループ(東京都港区)が「天然温泉付きマンション」として分譲した「アパガーデンコート綾瀬」(東京都足立区、77戸)の循環式温泉給湯設備で、国が定めるレジオネラ症防止指針の最大8900倍のレジオネラ属菌が検出されていたことが23日、足立保健所の調査で分かった。
同マンションは9月14日から給湯を中止。レジオネラ属菌は、感染すると肺炎を引き起こす恐れがあるが、健康被害の報告はないという。
足立保健所によると、6月の東京都渋谷区の温泉施設爆発事故を受け、足立区内の温泉施設の安全対策を実態調査。同マンションでは9月上旬以降の調査で、貯水槽や蛇口など3カ所からレジオネラ属菌を検出した。温泉給湯設備は、くみ上げた温泉を二酸化塩素消毒器に通して加温、貯水槽から配管を通して各戸に循環。使われた温泉は排水され、使われなかった温泉は配管を通って貯水槽に戻り、再び配管に送られている。足立保健所は、菌の増殖を抑える二酸化塩素の濃度管理に不備があった可能性があるとみている。(12:56)