2006年に救急隊が妊婦を搬送しようとして医療機関から3回以上受け入れを拒否されたケースが静岡など30都道府県で667件あったことが26日、総務省消防庁の調査で明らかになった。静岡は3件。拒否回数が10回以上は、東京の26回を筆頭に計45件。静岡でも7回が1件あった。受け入れ先が決まるまで現場で救急車が30分以上待機した事例は全国で1012件もあり、最長は東京の2時間半以上のケースだった。
県消防室によると、静岡県内で2004年から06年の3年間で、妊婦が救急搬送された計2636件のうち、救急隊員が照会して医療機関に1回以上受け入れを断られた事例は分かっているだけで62件に上った。昨年は7回断られ、患者の救急要請から病院収容までに1時間14分かかったケースも報告されていた。
受け入れを断られた件数を年別にみると、06年が26件、05年が19件、04年が17件。昨年の26件の理由別では「(医師の)専門外」が9件と最も多く、「(別の)手術・患者の対応中」が6件、「処置困難」が5件などと続いた。05、04年では「処置困難」が各7件と最多だった。
7回にわたり受け入れを断られたケースは中東遠地域で、女性がかかりつけ医をもたず自宅で出産。2日後に体調不良から救急要請したものの、受け入れ態勢に混乱があった、という。
厚労省が望ましいとする病院搬送までの所要時間「30分」を超えたのは3年間で合わせて20件だった。