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県教育委員会は二十五日、石川正夫教育委員長の任期満了に伴い、「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長で、明星大学教授の高橋史朗委員長職務代理者（５６）を互選の結果、選出した。選挙は無記名投票で行われ、高橋氏三票、石川氏二票、白紙一票と票が割れた。これまで委員長は、実質的に全員一致で互選されてきており、一票差での決定は異例。委員長としての任期は二〇〇八年十月二十五日まで。つくる会幹部経験者として初めての都道府県教育委員長となる。
高橋史朗氏
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高橋氏は〇四年十二月、上田清司知事の県会への提案で同意され、教育委員に就任した。〇五年の中学校教科書採択では、教科書への関与を否定していたものの、つくる会が主導した扶桑社版の公民教科書の監修者をしていたことが明らかになり、歴史と公民教科書の採択の際には審議から退席。また、高橋氏が民間教員研修機関「埼玉師範塾」を開塾したことなどに対し、市民団体から「人事の公平さを損なう」「特定の歴史観の押し付けになる」などの批判の声が上がっていた。
こうした経緯について高橋氏は、委員長選出後「いろんな心配や懸念があることは承知している。しかし委員会は合議制で、教育長の私が独断で専行するつもりはなく、個人の歴史観を押し付ける気もない。埼玉師範塾も運営の立場からは身を引くつもり」と語った。
県教育局によると、次の中学校の教科書採択が行われるのは〇九年夏の見通し。
高橋氏の委員長就任を受けて、上田知事は「見識も高く、うまく委員会をまとめてくれるだろう」と期待を込めた。
高橋氏は早稲田大大学院を修了し、政府の臨時教育審議会専門委員などを経て、〇四年十二月に県教育委員に就任、昨年の委員長選挙では委員長選出を辞退している。
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