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2007年5月13日 (日)

「オタク論」、発売中です

 新刊の「オタク論! 」(創出版)が出ました。現在、全国書店で絶賛発売中です。
 なんだか非常に売れてるみたいで、発売1週間をまたず3刷が決定しました。
 で、かなり調子こいた前書きを書いてて、それがかなりの暴言なんだけど、なぜか自分で気に入ってるんですよね。
 言ってることはムチャクチャでも、なんか勢いあるし、ツッコミどころ満載なところも僕らしくていいかなぁ、と(笑)
 せっかくだから前書きのみ全文掲載します。ブログでの引用もご自由に。
 でも引用される場合は、特定の部分だけ引用せずに全文引用でお願いします。

 
「前書き」
 
 いかにカッコよくオッサンや爺さんになるか?
 これが本書の裏テーマである。
 オタクだマニアだ新人類だと言われてきた私や唐沢さんも今年で49歳。信長が死んだ年齢である。来年には恐ろしいことに50歳になってしまうのである。
 世間ではどういう定義になってるか知らないけど、私自身からすれば50歳なんてものはあきらかにジジイだ。「中年」を通り越して「初老」だ。
 そんなジジイが二人寄って「最近のオタクは」とか「マンガやアニメは」とか「萌えは」とか語るっていうんだから、こりゃどう見てもみっともない。少なくともダンディなモテ系オヤジが絶対にやらない企画であることは確実である。
 でもねぇ、私としてはこの対談企画、わりと気に入っているんだよね。そういう「みっともない」ところが。
 オタク文化は現在進行形の文化なんだから、そりゃその最前線は「14歳」だと思うわけ。いま現在14歳ぐらいのマンガやアニメのファンがいる位置が、オタク業界の最前線であり「いちばん面白くて活気のある場所」でしょ。間違いなく。
 だから、オタク系の評論とか発言というのは総じて「いかにオレは14歳の心を失ってないか」というイノセンス合戦になりがちなんだよね。政治的な発言にしても、作品論にしても「子どもの頃や読者としての瑞々しい感性を失わず」「いま、もっとも新しいムーヴメントを提示する!」とかね。
 でも、申し訳ないけどそういうの、あんまりカッコいいとは思えなくてねぇ。そういうスタイルも20代前半まではアリだと思うんだけどね。
 30超えたらなんというか身体性というか、「年齢積んだだけのナニか」って欲しいじゃない?無理やりに若ぶったり「最近の作品もフォローしてます」みたいな媚びた物言いじゃなくて、「オタクが枯れると言うのはこういうことだ!」というの、見せたいじゃない?あえて頑固ジジイという役割を引き受けて、「最近の作品なんかわからん!昔のは良かった!」みたいな暴論吐き散らかして、ちゃんと悪役だって引き受けてあげたいじゃない?
 少なくとも私は「そういう大人」になりたいと思う。いつまでも若者や若者文化にすがるのはみっともないと思うし、理解されようとか誤解されたくないと足掻くのはもっとカッコ悪い。
 オトナと言うのは「誤解を引き受ける」覚悟だと思うよ。「お前らがダメにした」と言われたときに「そうかもしれない。じゃあお前ら若い奴が頑張れ」って返して、でも心の中ではまだまだやる気満々の状態。それが私の考える「したたかな大人」だ。
 というわけで、この本の中には「したたかな大人(見習い)」の物言いがいっぱい入っている。まだ(見習い)だから、時々本気で話したりムキになったりしてるけど、ま、大人ってそんなもんでしょ。
 私は「オタクが大人になる」というのは、こういうことだと思うんだ。
 まだ若い君たちも、カッコいい我々を見習って、ぜひ「大人のオタク」になりなさい。
 以上。
 

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コメント

「BSアニメ夜話」楽しみにしています(笑)
前回の「あしたのジョー」特集は色んな意味で、疲れました。まさか、全話放送するとは・・・。
長時間の録画をしても僕自身が保てない気がして、かいつまんで観ました。
結局土曜日の最後の回は朝まで付き合って、日曜日を棒に振りましたが・・・。

あの週の「あしたのジョー」特集は、悪夢の一周間だったような・・・。

「ボトムズ」は楽しみにしています。テレビ東京系列ゆえに観るコトはできなかった作品なのですが、おおまかな全体像がつかめて、レンタルする気力を起こす事ができれば観たいと思っている作品だからです。

・・・「イデオン」もやって欲しいな・・・。
最近レンタル屋にTV版は置いてなかったりするから。

もうすぐ40歳のぼくは第2世代?くらいですかね?オタクとしては底が浅いような気がするので、遠慮してヤヤオタ、ヤヤマニア・・・と思っています。
だいたいぼくらが高校くらいの時は、アニメファンとマニアの区別がはっきりついていた。
キャラ萌えの感覚もファン側だったのに、いつのまにか(ファン+マニア=オタク)になっていたような気もする。

新刊の「オタク論」は買わせていただきます。
岡田さんの著作は数冊読んで感銘を受けた事があり、この「オタク論」も期待を裏切らないものと考えていますので・・・。

投稿 森山ネム太郎 | 2007年5月21日 (月) 11時26分

「大人になる」って、私は「『普遍性』をどう持ちえるか』だと思うんですね。60年代の連合赤軍の「総括」のように、「捻じ曲がった主体性」を押し付けてくる大型掲示板に住み着いているゴロツキどものようなやり方ではなく、個別性と普遍性の関係をどうソフト・ランディングさせるか。

今の(若い)オタクは、単なる消費者に成り下がっていますよね。作品としてはどうみても全く価値がないとしか思えない『まなびストレート!』とか『コードギアス』とかを、「萌え」の一言で無批判に受け入れるメンタリティ。かといって、何故その作品が自分にとって価値があるのか、何故好きなのかに自覚的かというと、そうでもない。

「個」を推し進めたから「普遍」になるのではなく、「個」を持ったまま「個」と別の方向性を持ちえた時、「普遍」になると思うんです。今の(若い)オタク、「好き」とか「萌える」っていう「個」的な部分については敏感だけど、それだけしかないんですね。「感動」を普遍化しようとしない。

岡田さんはを「暴言」と卑下するけど、どこかで「普遍性」も求めているはずですよね。今の(若い)オタクが同じようなことをしようとすると、どうしても連合赤軍的な「総括」になってしまうような気がします。そもそも、「感想」の垂れ流ししかしない(若い)オタクブロガーや大型掲示板の住人たちに、そんな発想はないんでしょうけどw

投稿 skripka | 2007年5月14日 (月) 06時28分

うろ覚えなんですけど
ローカル局で放送していた
アニメ「不思議なメルモ」を見た時
「大人と子供の違いは?」
「大人は経験がある
だから子供に生きる術を教えることが出来る」
というようなシーンがあり
変に納得した覚えがあります

オタクは最後までオタク

あと大人が子供向けだと思っている物が
子供に言わせると
大きなお友達向けだったり
大人が感動するからとその作品を
子供に見せても
複雑すぎたり
郷愁や悲哀を理解できなかったり

子供向けパッケージの
大人向け作品が増えたんだと思います
オモチャもしかり
ウルトラマン80を見て涙するのは
大人だけです(笑)

まーったく関係ありませんが
http://blog.livedoor.jp/ressbook2ch/archives/50828501.html

元気そうで安心しました

投稿 pahepahe | 2007年5月14日 (月) 01時19分

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