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【社会】

折り畳みいすで指切断10件 半数が小学生以下

2007年10月26日 07時38分

指を挟んでのけがが多い折りたたみ式のパイプ椅子

写真

 パイプやプラスチック製などの折り畳みいすの可動部分に、手足の指が挟まって切断される事故が、過去10年間に愛知県を含めて全国で少なくとも10件起きていたことが25日、分かった。身の回りの商品に潜む危険として、東京都が全国消費生活情報ネットワーク・システム(パイオネット)の危害情報を分析して判明した。ほかにも同様の事故が多発している恐れがあるとみて、都は都内の事例を収集し、事故状況を詳しく分析するなど、安全対策の検討を始めた。

 都消費生活部によると、1997年4月−今年8月の間に、折り畳みいすに関係する指挟み事故は全国で23件発生。うち10件は切断事故で、その半数を小学生以下の子どもが占めた。

 愛知県内では、県中央県民生活プラザによると、01年に西三河地方で「10月の保育園の運動会で子どもが指をはさんだ。つめがはがれて、肉が数ミリ切り取られた」との相談があったという。

 幼児の指切断事故対策として米国は今年1月、子ども用の折り畳みいすに安全規格を策定。違反商品をリコール対象とするなど防止策を講じ始めているが、日本に同様の仕組みはない。

 業界関係者も「折り畳みという便宜性こそが重視されてきた商品だが、これからは安全の視点が必要」と話す。

 都は学識経験者や消費者、事業者らからなる「商品等の安全問題に関する協議会」を設置しており、「折り畳みいすの安全確保」をテーマに検討開始。12歳以下の子どもがいる世帯を対象とする実態調査や事故の再現実験を行うなどして、来年3月までに事故防止策をまとめ、防止策を国や業界団体などに提言する。

 愛知県、名古屋市では現在のところ、折り畳みいすの安全確保に関する対策はとっていない。

(中日新聞)

 

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