広島放送局

2007年10月26日 12時23分更新

救急の妊婦受け入れ拒否30件


産婦人科の医師不足が指摘される中、広島県内では、救急車で運ばれた妊娠中の女性のうち医療機関から受け入れを断られたケースは去年1年間で30件にのぼり、中には8回も断られたケースもあることが、消防庁などが行った実態調査でわかりました。

この調査は、ことし8月、奈良県で救急車を呼んだ女性が医療機関に相次いで受け入れを断られて死産した問題を受け、総務省消防庁と厚生労働省が全国の自治体を対象に行いました。
それによりますと、広島県内では、去年1年間に妊娠中の女性が救急車で運ばれたケースは747件あり、このうち全体の4%に当たる30件で医療機関から受け入れを断られていました。
最も多いケースでは8回も断られて、救急隊が到着してから受け入れ先が見つかるまでに1時間半近くもかかっていました。
受け入れを断った理由として最も多かったのが、医師や医療設備の不足による「処置困難」の15件で、次いで「手術や患者の対応中」が7件、「医師不在」が6件などとなっています。

また出産の時期に限らず救急車で運ばれたケース全体をみると、ほかの医療機関への転送が半分以上の53.9%を占め、医師不足な
どによって医療機関の受け入れ態勢が整っていない状況が浮き彫りになっています。