2007年10月26日 11時54分更新
妊娠中の女性を救急車で運ぶ際、医療機関から3回以上、受け入れを断られたケースが、神奈川県では、去年1年間に154件あり、医師不足などが原因で受け入れ態勢が整っていないことがわかりました。
この調査は、ことし8月、奈良県で救急車を呼んだ女性が医療機関に相次いで受け入れを断られて死産した問題を受け、総務省消防庁と厚生労働省が初めて行いました。それによりますと、妊娠中の女性を救急車で運ぶ際、医療機関から3回以上、受け入れを断られたケースが、去年1年間に全国で667件あり、このうち、5回以上が220件、10回以上が45件ありました。
3回以上断られたケースは、東京都が185件、神奈川県が154件、大阪府が76件などとなっていて神奈川県は全国で2番目に多くなっています。
また、神奈川県では、救急隊が到着してから受け入れ先が見つかるまでに30分以上かかったケースが190件あり、このうち1時間以上かかったケースが14件ありました。
受け入れを断った理由では、医師や医療設備の不足で「処置が困難」、「手術や患者の対応中」などが多く、医師不足などが原因で、受け入れ態勢が整っていないことが明らかになりました。
総務省と厚生労働省は、今回の調査結果をもとに受け入れ態勢の整備や効果的な救急搬送の方法について検討を急ぐことにしています。