2007年10月26日 12時40分更新
妊娠中の女性を救急車で運ぶ際、医療機関から3回以上、受け入れを断られたケースが、関東地方では去年1年間に440件余りに上り、医師不足などが原因で受け入れ態勢が整っていないことが、総務省消防庁などが行った初めての実態調査でわかりました。
この調査は、ことし8月、奈良県で救急車を呼んだ女性が医療機関に相次いで受け入れを断られて死産した問題を受け、総務省消防庁と厚生労働省が初めて行いました。それによりますと、関東地方では妊娠中の女性を救急車で運ぶ際、医療機関から3回以上、受け入れを断られたケースが去年1年間に441件と全国の3分の2を占め、5回以上が147件、10回以上も37件ありました。
3回以上断られたケースを都道府県別に見ますと、東京都が185件、神奈川県が154件、千葉県が36件、埼玉県が30件などと、なっています。
また、救急隊が到着してから受け入れ先が見つかるまでに、30分以上かかったケースは712件、1時間以上かかったケースも79件ありました。
受け入れを断った理由では、医師や医療設備の不足で「処置困難」が32%と最も多く、「手術や患者の対応中」が20%、「ベッドが満床」が13%などと、医師不足などが原因で受け入れ態勢が整っていないことが明らかになりました。
総務省と厚生労働省は、今回の調査結果をもとに、受け入れ態勢の整備や効果的な救急搬送の方法について検討を急ぐことにしています。