2007年10月26日 13時9分更新
妊娠中の女性を救急車で搬送する際、医療機関から受け入れを断られたケースが、岩手県内では去年までの3年間に25件あったことが国の調査でわかりました。
調査は、ことし8月、奈良県で救急車を呼んだ女性が医療機関に相次いで受け入れを断られて死産した問題を受け、総務省消防庁と厚生労働省が初めて行いました。
それによりますと、県内では去年までの3年間に妊娠中の女性を救急車で運ぶ際、医療機関に受け入れを打診して1回でも断られたケースはあわせて25件でした。
断られた回数を見ますと、1回が19件、2回が5件、3回が1件で4回以上断られたケースはありませんでした。
断られた理由では「設備や人手が足りなかったから」が10件と最も多く次いで「専門の医師がいなかったから」が6件となっています。
また、医療機関につくまでの時間が最も長かったケースは1時間3分でした。
これは頭にけがをした妊婦を搬送した際、地域の拠点病院からかかりつけ医を受診するように言われ受け入れを拒否されたものの、かかりつけ医が専門医による治療が必要だと診断したため、
結局最初に受け入れを拒否した拠点病院に搬送されたケースでした。
産婦人科の医師不足が深刻な状況の中で、受け入れ拒否の件数が年間数件にとどまっていることについて県は「専門の医師が少ない地域では、受け入れを拒否すると妊婦が長時間の移動を強いられるため拒否できないのではないか」とみています。