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【国際】

『朴大統領が拉致指示』 金大中氏、報告書に反論

2007年10月25日 朝刊

 【ソウル=中村清】韓国の情報機関・国家情報院の「過去事件の真相究明委員会」が一九七三年に起きた金大中事件に関する調査報告書を発表したことに対し、金大中(キム・デジュン)前大統領は二十四日、秘書官を通じて「努力は評価するが、優柔不断な結論を下した点は残念だ」との声明を発表した。

 調査の結果、究明委は同事件が韓国中央情報部(KCIA)による拉致目的の組織的犯行で、当時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領も「黙認した」と結論づけた。これに対し金前大統領は「殺害目的で拉致したことは明らかで、指示したのは当時の大統領だ」と反論した。

 さらに金前大統領は「明確な犯罪の証拠がありながら捜査を中止した日本政府と、事件を隠ぺいした韓国政府に深い遺憾を表明する」とした。金前大統領は二十九日から京都を訪問予定で、訪日中に調査結果への立場を直接、表明する可能性がある。

 一方、宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商相は二十四日の定例会見で「過去にこのような事件が起きたことは遺憾だ」と述べるにとどまり、日本の主権侵害に対する韓国政府の謝罪の必要性については言及しなかった。

 

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