王子製紙が中国現地生産に向け、11月に洋紙工場の建設に着手することが25日明らかになった。合弁会社設立の認可を同国政府から取得して行政手続きを終えたため、近く事業主体を設立する。まず年産40万トンで2010年に稼働させる予定で、総投資額は約2000億円。製紙大手による初の中国生産は計画発表から4年半を経て動き出す。国内市場の成熟化に対応して王子は中国進出で事業を拡大、最大手の基盤を強化する。
江蘇省南通市に「江蘇王子制紙」を設立する。王子が90%、残りを同市傘下の企業が出資する。11月下旬に起工式を開き、年明けから工事を本格化させる。12年には生産能力を倍増させ、原料パルプも内製化してコスト競争力を高める。新工場は1000人以上の現地従業員を雇用する見通し。定年退職した国内工場の熟練技術者を現地に派遣する。(07:00)