こどもは大人には真似のできない能力を持っています。それは、ネイティヴスピーカーの外国人が話す、ナチュラルスピードの自然な英語を聞き取る力や、発音をそっくりコピーする力です。この能力は、こどもだけに与えられた特別なものです。この大切な時期に、ネイティヴスピーカーの正しい発音やリズムを聞かせてあげて、ぜひ、お子さまに正しい発音・リズムを身につくようにしてあげてください。
子どもは言葉を覚える天才です。大人になって外国語で苦労しないためには、子どものうちに話せるようになってしまうのがベスト。生まれたばかりの子どもは、自分の意志を言葉にできません。だから、一刻も早く喋れるようにと、2歳、5歳、8歳と成長する間に、どんな言葉でもスポンジのように吸収し、話せるようになっていきます。これは、人が持って生まれた基本的な能力ですが、中学生くらいになると、必要のない能力として切り捨てられていきます。小さな子どもは、生まれた瞬間から外界の音を聞き、周りの人が話している言葉を聴いているだけで、喋れるようになってしまうのです。
一方、英語は約1800、標準日本語は約320の音種で構成されていると言われていますが、中学生くらいになると、この音の違いを聞き分けるのが難しくなります。人は、耳で聞こえない音を“発音”することはできません。逆に、聞こえる音は自然に発音できるようになります。つまり、子どものうちに、英語を母国語とする人の言葉をたくさん聞くことが大切なのです。勉強しなくても、自然に言葉が喋れるようになるピークタイムは8歳くらいまで。生まれつき、どの国の言葉でも音の違いを聞き分け、コピーする力を持っているので、環境さえ整えば誰でも本物のバイリンガルになれるのです。
またこの時期に、中学で学ぶような文法や構文を勉強させると、最悪の結果をまねきます。脳の成長期にある子どもは、“幼児性健忘症”なのです。記憶が鮮明にとどまらず、大人になって思い出そうとしてもほとんど残っていないのはそのためです。だから、小学生に暗記教育を押し付けるのは、やってはいけないこと。小学生までと中学生は、まったく別であるというくらいの認識が必要です。もちろん、先生はネイティヴスピーカーでなければならないことは言うまでもありません。日本人の先生はどんなに英語が話せても、ネイティヴの発音ができません。そのため日本人の先生に習った子どもたちは、外国人の発音が聞き取れず、日本人特有の発音になってしまいます。語学を身につけるためには、ネイティヴスピーカーの話す外国語を聞き、話すことが不可欠なのです。
飽きっぽい子どもたちの興味をそらさないように、年齢に応じたアクティビティを盛り込み、さまざまなネイティヴスピーカーの発音に慣れさせるため、複数担任制をとっています。
心理学では、「言葉は、全コミュニケーション量のたった15%を補っているに過ぎない」と言います。表情や雰囲気の中には、たくさんのコミュニケーション情報が詰まっている。だから、直接人と対話することが必須なのです。