(cache) 花咲く小径会議室「大学改革」

　花咲く小径会議室「大学改革」　

＊この掲示板は「花咲く小径」に所属していますが、参加者の性別・分野は制限せずに意見交換しています。
この過去ログは「大学改革」について話し合った１９１８番～１９５８番です。国立大学は独立法人化で騒然としています。私立大学も少子化の中、生き残りを賭けた改革を続けています。これからの大学がどうあるべきか、私達はどのような覚悟で大学と関わっていくべきか考えてみましょう。サポーターから出された論点は以下の通りです。
（１）望まれる教育の方向（地域密着、個性重視、職業人養成など）
（２）望まれる研究の方向（基礎科学の位置づけ、産学共同研究、大学発ベンチャーなど）
（３）国立大学の独立法人化の是非
（４）私立大学の生き残りの方向
（５）研究と人事の停滞をいかに変えるか（研究評価・教員の任期制など）
（６）理想の大学評価制度（評価の指標、公開方法、評価結果の利用）
まずは「望まれる教育の方向」からスタートします。過去ログは花咲く小径Ａ倉庫から御覧になれます。
サポーターのありんこ・すえつむ・かりん・コスモスが一緒に議論を盛り上げていきます。

【1958】　　授業料は全く話題に出ていません 　　* * * * *　 チョク

＞独法化のとばっちりを一番うけるのは「学生」だと思います。
＞いまは多額の補助金をもって、大学経営がなりたっているのですが、「自分でお金をもってこい」ということになると、経営の為に必要最低限のお金は「授業料」でもってくることになります。

独法化の本質は独立採算ではなく、費用に見合うアウトプットを出す事だと思います。例えば社会的な役割を主張して必要な補助金を要求出来るはずですから、国民に広く教育の機会を与えるという意味からも授業料分の補填は可能でしょう。
研究費に関わる部分の審査はずっと厳しくなるでしょうが。

＞そういうわけで、授業料は私学なみにあがることは必至です。

今まで授業料は上がり続けていますが、ほとんどの教官は何の行動も起こしてきませんでした。現在も独法化に関する会議が度々開催され、色々な反対決議も出されていますが、授業料に言及した発言を一度も見た事がありません。大体、学生の立場に立って意見をしている人を見たことがありません。
常に出る意見は民間出身者の導入の反対、人事権の確保、研究の自由度の確保、教育効果などに対する評価の拒絶、公務員としての身分の安定です。こういう時だけは妙に行動が早いのです。

このようなレベルの自治意識しか持たない人間達に教育されてきた今までの学生の方がとばっちりを受けていると私は思いますが。　

2003 / 4 / 24 Thu 14 : 01 : 01 記入　　削除

【1957】　　独立法人化 　　* * * * *　 和麻呂

手遅れなのだが、完全に一大学一法人にしてしまうのは、
いくつか、無理があるように思う。

それにしても、「現状では●×なので、△は受け入れられない」
などというネガティブな事言ってないで、「●×という問題点があるので、△を受け入れる為に、早急に改善される事を求める」というポジティブな、交渉が出来る人材はいないのだろうか？
　

2003 / 4 / 24 Thu 12 : 55 : 29 記入　　削除

【1956】　　独法化 　　* * * * *　 ありんこ

何ごとも、チョクさんがいわれるように、新しい動きがあると、既得権を主張する輩がでてきますね。

それはさておき、独法化のとばっちりを一番うけるのは「学生」だと思います。いまは多額の補助金をもって、大学経営がなりたっているのですが、「自分でお金をもってこい」ということになると、経営の為に必要最低限のお金は「授業料」でもってくることになります。そういうわけで、授業料は私学なみにあがることは必至です。（たぶん今頃授業料をいくらにするのか、各大学の幹部が決めていることでしょう）　

2003 / 4 / 24 Thu 11 : 31 : 45 記入　　削除

【1955】　　私は独法化賛成です 　　* * * * *　 チョク

自己管理能力が無く、法人化反対の根拠となる代替案もまとめる能力も無いまま、反対する姿はお上に訴える農民のようで恥ずかしいですね。

独法化の話題が出始めてやっと会議で若手の意見が聞き入れられるようになり、公募も少しずつ増えています。
危機感を持つのが遅すぎたくらいです。
　

2003 / 4 / 23 Wed 21 : 44 : 52 記入　　削除

【1954】　　評価対象 　　* * * * *　 チョク

＞学生の満足度や教育効果などを評価するシステムを作らないと

に自己レスですが、そのシステムについて会議で提案したところ「心の問題は数値化出来ない」「みんな一生懸命やっているんだからそれでいいじゃないか」「自分に自信が無いから評価されたいのか？」など感触は良くありませんでした。

確かに論文数、インパクトファクター、学生数など数えられるものの方が評価しやすいのですが・・

ここまで書いてから多くの教官が「論文数だけでは評価出来ない」と言うのを思い出したのですが、しかし彼等はそれ以外の評価を受けたいという訳ではなく、論文が出ない言い逃れにしかその言葉を使わないのです。とにかく評価されるのは嫌のようです。しかし、給料を戴き先生と呼ばれる以上、何らかの評価を受ける必要はあると思います。

　

2003 / 4 / 23 Wed 21 : 40 : 44 記入　　削除

【1953】　　悪徳商法の裏事情 　　* * * * *　 チョク

「裏」事情というほどでもなく、多くの方が御存知でしょうが、現在の国立大学は多くが独法化を研究大学志向で乗り切ろうとしています。私が勤務する地方大学はギリギリの研究大学なのですが、帝大系の大学院大学化を羨み、大学院の重点化を目論んでいます。そのため院生の確保に必死で、特に博士課程には積極的に学生を集めるように会議で度々指示があります（理系なので修士はほとんどが進学）。

一部の教官は学生に才能があるだの、研究職ほど素晴らしい職業は無いとか（他を知らないのに）、ドクターを出れば仕事はあるからとか、甘言を弄して博士課程に入れます。４年生から博士まで６年間も手元に使える「駒」があるのは本当に便利だと言う教官もいます。
仕事は確かにあります、ポスドクならば。しかしその先のフォローは無く、ポスドクを渡り歩くうちに行方知れずになる人もいます。まぁ、２０才過ぎた大人が教官の甘言を鵜呑みにするのも自業自得と言えるのでしょうが。
私も昇進したければ博士を出すようにとアドバイスされました。しかし才能も実力も無くプライドだけが持ち物の、どうにも使えない人々を量産する気にはならないのです。

博士の頭数ばかり数えずに、学生の満足度や教育効果などを評価するシステムを作らないと、これからもっとひどくなると思います。
　

2003 / 4 / 23 Wed 21 : 29 : 28 記入　　削除

【1952】　　RE:1945　選択肢を示してあげること 　　* * * * *　 bloom

どうも新学期は忙しくて、かなり遅レスになりますが

＞「将来何になりたい？」と質問したとき「研究者」と答える学生さんと「大学の先生」と答える学生さんに分かれます。

私も研究室訪問の学生に同じ質問をしますが「研究に関わる仕事をしたい」という学生は多いので、研究をどのようなイメージで捉えているのか聞きます。もし「研究＝創造性のある仕事」と考えているならば、創造性は営業や実験補助などどのような仕事でもある程度発揮出来る事、創造性のみを追求する研究者の生活がどれだけ不安定であるのかなど話すようにしています。
これは小さな民間企業に勤務して、研究開発だけでなく、時には営業や技術サービスもやらされていた経験が役に立っていると思います。

＞ここで問題となるのが、指導教官そのものが純粋培養で来た人ですと、「大学の先生」以外の研究職について、あいまいなイメージしかもっておらず、（食わず嫌いのような）個人の嗜好を学生に伝えてしまい、学生がそのイメージを鵜呑にして、実際に調べもせず食わず嫌いまで垂直伝播してしまう現象がよく見られる事です。

いやぁ、全くその通り。もっと言うと、研究職以外の仕事のイメージはほとんどありません。
自分も学生時代は教官達にいかに研究職がすばらしい仕事か説かれてすっかりその気になっていました。今も私以外の教官（民間経験なし）は同じようなもので、学生が修士に行く博士に行くと言うと大喜びです。私は「研究の他にも楽しい仕事はあるよ」「とりあえず就活だけはやっておきな」と言って学生を戸惑わせています。色々な可能性やリスクを説明せずに進学ばかり勧めるのは、悪徳商法みたいに感じるのです。

でも教官に人生経験まで要求するのも酷な部分もあるので、大学の就職担当の方などが進路カウンセリングなどしてくれれば良いかも知れません。でも彼等が公務員しか経験なかったりするんですよね。
　

2003 / 4 / 21 Mon 13 : 20 : 34 記入　　削除

【1951】　　ＴＡの教育効果 　　高専/大学(院) 教官３０代女性 *　 チョク

＞うちでは希望者など募らず、有無を言わさずスタッフが割り当てています。
＞基本的に給料を貰っている以上、指名されればそれに応じて働くのは義務だと見なしています。

この方法、参考にさせて戴きます。
私が勤務する大学では和麻呂さんの大学と同様の状況です。

＞研究室当たりのTAの予算を既得権益だと思っている教授が数名いて、

つまり、学科全体でＴＡの予算が○人分来るので、それを研究室に振り分ける。各研究室ごとに指導教官が学生を選んで（学生全員の枠は無い）ＴＡに任命し、口座にお金が振り込まれるという状況です。学生に聞いてみたところＴＡは「何となく振り込まれている小遣い」という認識しかありませんでした。

現在の制度では働いた量に全く関係が無いため、学生間で不平が出ています。さらに、これはアカハラとなるのですが、教授の中には博士に進学する学生に優先的にＴＡを回すと公言している人、可愛がっている女子学生に何かと理由をつけてＴＡを回している人もいます。

先日の会議でその点を指摘し、一旦プールしたＴＡ費を働いた量に応じて支払ってはどうかと提案したのですが（私が博士課程を過ごした大学はそういう制度だった）、プールが違法だからと却下されました。
次の会議ではハグさんの大学のように誰に支払われたのかを公開し、それに応じて仕事を割り振る事を提案してみようと考えています。

何にせよ、制度をきちんと生かすのは現場の意識ではないでしょうか。割り振る手間・評価する手間を惜しんで金のバラマキにならないよう気を付けたいと思います。

　

2003 / 4 / 18 Fri 14 : 08 : 18 記入　　削除

【1950】　　スパムメール 　　* * * * *　ハグ

> 「国立大学法人法案」の廃案を求める「意見広告」をだそうという活動があり

これに関連して、

国公立大に勤務されている方は心当たりがあるかもしれませんが、
最近「国公立大学通信」と題するスパムメールを送り付けて来る輩がおります。
NACSIS の研究者ディレクトリから得た大学のメールアドレスに無差別に送り付けているそうで、
こちらから送信停止の申し出をしない限り送られ続けるというものです。
その手法は悪徳広告業者と何ら変わりません。
上の「意見広告」運動についてもメールが送られてきたので思い出しました。

研究目的の交流に役立つこともあるかと思ってメールアドレスを公開してきましたが、
こんな目的に使われるのであれば次回からはメールアドレスを非公開にしようかと思っています。

ちなみに「意見広告」運動を行っているグループ自体はスパムメール送信とは関係ないようなので、
その辺は混同されないようにお願いします。　

2003 / 4 / 16 Wed 9 : 14 : 40 記入　　削除

【1949】　　国立大学法人化について 　　* * * * *　 ありんこ

「国立大学法人法案」の廃案を求める「意見広告」をだそうという活動があり、賛同される方を募っているようです。
http://grape.c.u-tokyo.ac.jp/~hachisu/houjinka/

御参考まで。　

2003 / 4 / 15 Tue 10 : 46 : 50 記入　　削除

【1948】　　ＴＡ　　* * * * *　ハグ

うちでは希望者など募らず、有無を言わさずスタッフが割り当てています。
複数の研究室が合同して行うような場合には、コーディネーターが研究室ごとの人数を割り当てます。
前回簡単な仕事だった人には次回に拘束の多い仕事を振るなど、なるべく偏りがないように努力はしますが、
基本的に給料を貰っている以上、指名されればそれに応じて働くのは義務だと見なしています。

アメリカでは学部生の基礎的な科目は授業や試験もＴＡが行いますよね。
これは日本でも取り入れてほしいものです。
授業内容の評価をその院生の評価に取り入れるような仕組みもできるとますます結構。　

2003 / 4 / 10 Thu 19 : 48 : 54 記入　　削除

【1947】　　TAをやりたがらない 　　* * * * *　 和麻呂

一二年生向けの化学や物理の実習のTAを毎年集めるのに苦労します。
時給単価は、普通のアルバイトよりはかなり良いはずなのですが、不思議と集まりません。理由は、簡単で短期の集中実習や卒業論文研究指導の名目でTAを申請して、実質ほとんど拘束なくバイト代をバラマク因習が残っているからです。アシスタントとして実習授業で大人数の学生を指導する事は「大学の先生」を目指すのなら良い経験になると思うのですが、同じTAなのに拘束時間に差がありすぎるとか不平を言って、TAの教育的効果があまり発揮できていません。　なにか良いアイデアありませんか？　さんざん無意味なお金のバラマキとしての実働を伴わないTAを廃止して、実のあるTAにもう少し予算を回すようにという意見は会議で出るのですが、研究室当たりのTAの予算を既得権益だと思っている教授が数名いて、空転します。　

2003 / 4 / 10 Thu 18 : 19 : 05 記入　　削除

【1946】　　アルバイト 　　* * * * *　 ありんこ

学生のアルバイトの件ですが、うちの研究所（法人）に実習生としてきていた学生さんが、生活費が大変ということで、外でのアルバイトに割く時間が多く、ほとんど研究所に来られない状況にいたため、（とくに私大の場合、授業料の負担が大きいので、それを稼ぐためにかなり沢山はたらかなきゃならないようです）研究所で請け負っているプロジェクトのお仕事を手伝っていただきアルバイト料をお支払いしたことがあります。これなら研究との両立も可能です。（お願いした仕事は修論・博士論のテーマと関係する仕事でした）大学でもTAという制度がありますが、生活をまかなうほどもらえないのが実情。そのあたりの制度の整備がすすめば「苦学生」もやっていけるのでは？とおもうんですが。　

2003 / 4 / 10 Thu 11 : 41 : 13 記入　　削除

【1945】　　選択肢を示してあげること 　　* * * * *　 和麻呂

院生を指導していて思うことに、学生に対して進路の選択肢を早い段階で示してあげる事が大切だと思います。

私の少ない経験からですから、一般化できるかどうかは疑問が残りますが、「将来何になりたい？」と質問したとき「研究者」と答える学生さんと「大学の先生」と答える学生さんに分かれます。
　「研究者」と答えた学生さんは、あまり心配ないのですが、「大学の先生」と答えた学生さんの中には、学位取得後のビジョンが希薄で職を得るための自発的な行動が遅れがちになったり、こちらが手配したＰＤ先を（何やかれや理由を付けて）辞退したり、研究者として職を得るの事に積極的とは思えない行動をとる人が出てきます。
　この理由を、いろいろ考えてみると、「大学の先生」と答えた学生さんの少なからずは、大学の先生以外の研究職について、ほとんど情報をもっていない事に気がつきました。20代中半以降の大人ですから、将来のビジョンも自分の責任だとは思いますが、もう少し早い段階で、進路の選択を提示する必要を感じています。
　しかし、ここで問題となるのが、指導教官そのものが純粋培養で来た人ですと、「大学の先生」以外の研究職について、あいまいなイメージしかもっておらず、（食わず嫌いのような）個人の嗜好を学生に伝えてしまい、学生がそのイメージを鵜呑にして、実際に調べもせず食わず嫌いまで垂直伝播してしまう現象がよく見られる事です。
　大学は学生を預るわけですから、若いうちに進路に関する選択肢について十分に示してあげないといけないと思いますし、これも大学に所属する研究者に求められる仕事だと思います。

　

2003 / 4 / 10 Thu 11 : 36 : 33 記入　　削除

【1944】　　ただし、需要と供給でしょうか 　　* * * * *　 チョク

私がそのような考え方を持つようになったきっかけは、海外でポスドクの面接を受けた時に住居や家族のケアなどポスドクの環境に良く配慮しているボスの姿勢を見たからです。それは人道的な面より、ラボがポスドクで成り立っているという背景があると聞きました。
それならば、日本の大学は学生の研究活動で成り立っているのですから、学生に配慮する必要があると考えたのです。

ただ、海外でも人気ラボのボスは高圧的だと聞いた事もありますので、需要と供給の関係かも知れません。日本の大学でも、有り余る院生のいるラボで学生にどれだけの配慮が出来るかはボスの教育者としての良心にかかっているかも知れません。
自分は経済的な苦労だけではなく「女性には無理」という理由で機会を与えられなかった経験をしているため、学生には男女の関係なく多くのチャンスを与えたいと考えています。　

2003 / 4 / 7 Mon 17 : 20 : 39 記入　　削除

【1943】　　学生に良い環境を与えるのも教官のつとめ 　　* * * * *　 チョク

なるほど、pen さんのおっしゃるような例もありそうですね。

私のラボではバイトの多い学生には分子生物学か培養系の仕事、時間の自由の利く学生はタンパク質の仕事を振り分けるようにしています。
アルバイトと実験を両立するためのアルバイトの時間帯の選択、奨学金応募なども相談する事があります。「望まれる教育の質」の中に「学生の教育環境を整える」も含まれていると考えているからです。
遊興費のためのバイトの学生には厳しく接するつもりですが、最近の不況を反映してか、私の勤務する大学（地方国立大学）では学生のバイトの目的はほとんどが生活費のためで、授業料を自力で払っている人も多いです。親が失業して一家の生活費を稼いでいる例もありました。

民間の奨学金がもう少し増えてくれると有り難いです。月に３万でももらえればそれだけ学生は睡眠を取ったり実験を出来るのだから、私も推薦書を書きたいと思います。
　

2003 / 4 / 7 Mon 16 : 46 : 44 記入　　削除

【1942】　　アルバイトが理解されずに 　　* * * * *　 pen

私の同級生で、奨学金とアルバイトで生計を立てている人がいました。毎日、一定時間アルバイトに費やしていたため、卒業研究のころから、指導教官には、もっと研究に集中しろとよく言われていたそうです。しかし、アルバイトを止めると、生活ができない旨を説明し、ある程度は理解を得ていたはずだったのですが・・・。

しかし、修士課程に入って2ヶ月くらいたった時に、「毎日アルバイトをする必要があって、研究に専念できないのなら、研究しても無駄だから」といわれてしまったそうです。夕方からアルバイトのため、朝早くから実験を開始し、アルバイトが終わった後も研究室へ戻るようにしていたのですが、その後何かと風当たりが強く、彼はアルバイトをやめるわけにもいかず中退して就職してしまいました。
　この先生の考え方は、大学院生は研究に専念するべきで、アルバイトは、研究に影響のない程度にするべきだというものだったようです。しかし、生活費をまかなうとなると、実際はそれでは足りませんよね。どうしても、アルバイトをしなくても良い学生ほどの実験時間は取れなくなってしまいます。

自分で生きるための費用を稼ぎながら研究するためには、ある程度の指導教官の理解が必要です。チョクさんのおっしゃるような純粋培養で育ち、大学教官になった結果、勤労学生（？）に対する理解がなく、研究する道を奪ってしまうことになってしまう可能性もあるのではないでしょうか。　

2003 / 4 / 7 Mon 16 : 03 : 27 記入　　削除

【1941】　　純粋培養の果て 　　* * * * *　 チョク

確かに最近はＣＯＥとやらに通った大学では、院生に生活費を与えてバイトなどしなくて済むようにしているんですが、エリート大学で奨学金と生活費を戴き、バイトの経験もなく研究一筋の学生の行く末はどうなんでしょうか？

そのままエリート大学に残り、エリートに囲まれエリートの教育だけする分には困らないかも知れませんが、多様な学生には対応出来なくなるのではないかと危惧しています。
実際、博士課程で在学していた帝大でそういう院生を多く見てきたもので。　

2003 / 4 / 4 Fri 21 : 50 : 39 記入　　削除

【1940】　　趣味と勉学の違い 　　高専/大学(院) 教官３０代女性 *　 チョク

ハグさんのこの主張には違和感を持ちました。

＞大体、なぜ大学院生だけにそんな結構な環境を与える必要性があるのでしょう？
＞他の事にに何も悩まされずに音楽に打ち込みたい、野球を楽しみたい、絵だけ描いていたい
＞しかし実際にそんな環境にいる人は、いたとしてもほんの僅かで、皆それぞれに現実と折り合いをつけて暮らしているのです。

それは趣味だからでしょう。
好きなペースで楽しんで、誰の評価も受けないのであれば、自分のお金でやるべきでしょうが、本気でプロを目指す人、なおかつ才能のある人に世間は分野を問わず何らかのサポートが与えてきたと思います。
実際、音楽学校や美術学校の学生、スポーツのジュニア養成校には、やはり奨学金など何らかの補助がありますよね。

しかし大学院生に一律に生活費を支給するのは、院生過剰の現状には合わないでしょうが。研究が趣味と勉学のどちらであるか怪しい場合も多いですから。　

2003 / 4 / 4 Fri 21 : 46 : 34 記入　　削除

【1939】　　教育環境の問題 　　* * ３０代女性 *　 チョク

院生さんの問題提起は「教育環境の方向」ですね。
私は皆さんの議論を読んで色々と考え込んでしまいました。

大学は国立大学なら莫大な税金を、私学でも助成金という形の税金を使っている環境で、学生も授業料を払って勉強している訳ですが、社会と学生の負担の割合がどの程度であるべきか、というのは難しい問題だと思います。

一般に国立大学の学生が手厚く保護されているのは「経済的に苦しくても優秀な学生が勉強出来る場」を各地域ごとに確保しており、大学に対する補助は「優秀な学生は社会に貢献する」という理由だからかも知れません。

しかし「社会に貢献する」とはどのような意味を持つのか、それは
誰が判断するのかが難しいです。
さらに、学生に対する補助が「学びたいものを助ける」という崇高なものであるなら、学生のレベルや国立私立関係なく学ぶ意欲に対して与えられるものなのかも知れません。

私自身も院生時代には経済的な苦労をしましたが、その頃は生活に精一杯でそこまで考えた事がありませんでした。　

2003 / 4 / 4 Fri 21 : 39 : 46 記入　　削除

【1938】　　育英会 　　* * * * *　ハグ

> あと、育英会ですが、有利子のものを組み合わせることで、増額できないのでしょうか？
> 両方借りることが可能だったと思いますが。

おっしゃる通りで、第１種（無利子）と第２種（有利子）の両方を併用することができます。
ただ、今年度の申し込みは既に終わっているので来年度以降ということになりますが、
０４年度からは日本育英会を廃止して「学生支援機構」という組織に改編するという法案が
現在国会で審議中で、おそらく可決されます。
この組織の細部は未定なので、来年以降に関しては奨学金等がどのような制度になるかは不透明です。
優れた成果を挙げた院生に対しては卒業後の返還を免除する、という制度ができるのは
ほぼ確実なようですが。
　

2003 / 3 / 26 Wed 20 : 54 : 15 記入　　削除

【1937】　　後から参加で少し遅いかもしれませんが 　　高専/大学(院) * * 女性社会科学　 yumi

一院生さん、かなり大変そうですね・・お察しします。
育英会奨学金以外にも、大学院生であれば、各財団の学芸奨励金に申し込むという手もあります。
確か「理系のための研究生活ガイド」という新書にリストが載っていました。
そういう所に申し込むのも手だと思います。

＞社会人は仕事を・・というのは、言いたいことはわかるのですが・・
まあ、社会人にもいろんな人がいますから、一院生さんの話しをされた方はどんなかたかはわかりませんが、院に入ることで逆に研究マインドに目覚めて・・というパターンもありだと思います。
私は、家計の問題で短大卒で働くことになりましたが、今は大学院に入ってさらに研究の方向に進みたいと考えています。
（一院生さんも一旦働かれてるんですよね？）

私は、人生は「お金があるときは時間がない。
時間があるときはお金がない。」ものじゃないかと考えています。

社会人学生は、プロパーの院生さんが充分に時間がある様に思えて、うらやましい部分もあります。一方、安定した収入はあるわけで、ばんばん資料購入したり、実地調査に行ったり、時間のない分をお金で補うしかない・・かな？と割り切っています。

それから、他の会社はわかりませんが、今時の会社ってやつは、お金出さないですよ－大学に人を入れたりぐらいのことでは。
不況→リストラ方向なので。
私は全部自費です。でも多少業務時間を割いてしまっているので、会社にはすごく感謝しています。

それよりも、一院生さんの属している研究室が、産学連携の何かとか、一定の分析かなにかの受注が出来れば、研究室として企業から収入を得る道はあると思いますが・・

一院生さん、今かなり大変そうですが、将来懐かしく「あんな頃もあった」と苦笑いできる時が必ず来ると思います。
人間、限界に挑戦すればする程、限界が伸びていきますから・・
色々書きましたが、応援しています。がんばってください。　

2003 / 3 / 26 Wed 11 : 48 : 17 記入　　削除

【1936】　　一言ではなくなってしまいましたが 　　* 技術員２０代女性 *　 pen

お金の問題で進学をあきらめた人間から一言。

私は、博士課程に進学したかったです。しかし、両親からは、学費、生活費の援助は修士までといわれており、いろいろ考えた末、進学はあきらめました。両親の収入がないわけではないため、学費の免除は受けられません。育英会の奨学金以外に当てにするものはありませんでした。残りをアルバイトで補い、研究を続けていくためには、体力にも自信がなかったため、結局進学をあきらめました。
　両親の援助があるうちに、アルバイトをするなりして、将来の学費をためていなかった自分にも責任があると思いました。（大学から、6年間もあったのですから。）

　ハグさんのおっしゃるとおり、お金がなくて、夢をあきらめる人はたくさんいます。私のほかにも、学費の問題だけで進学をあきらめた人がいました。博士課程だけでなく、修士課程にも進めなかった人もいます。
　逆に、進学した後で、「親が定年で仕送りがなくなった。これでは自分が生きていけない」という人もまわりにいます。確かに、たいへんだと思うのです。しかし、両親の定年は初めからわかっていたはずだし、学位をとるまでにかかるお金をどうするかを、ちゃんと考えずに進学した方にも責任があるとも思うのです。大学院生と同じくらいの年になると、自分で働いて稼いだお金で生活している人が大半ですし、それで、家族を養っている人もいます。学生でいられることが恵まれていることなんだということを、現在大学院生の方には自覚していただきないなと思います。

というのは、進学をあきらめた人間のひがみかもしれませんね。

　大学院生が金銭的サポートを受けやすくなれば良いというのは、大賛成です。誰が見ても、将来優秀な研究者になれそうな人が、周りにサポート体制がなかったために、研究をあきらめるというのは、悲しいことですから。

　一、院生さん頑張って下さいね。個人的に応援したいです。
　あと、育英会ですが、有利子のものを組み合わせることで、増額できないのでしょうか？両方借りることが可能だったと思いますが。（もっとも、増額すると返済がたいへんになるので難しいかもしれませんが。）
　

2003 / 3 / 26 Wed 10 : 49 : 54 記入　　削除

【1935】　　院生に給与 　　* * * * *　ハグ

> Ｍ１～Ｄ２ぐらいの大学院生は、まだ海のものとも山のものとも
> わからないのだから、高度学術研究大学院とはいえ、
> 若い学生に、お金出すのは適当だとは思いません。
> 授業料を抑え、かつ、高コストの研究が行える環境を提供すること
> で、十分にサポートされています。

そう思う大学／研究室はそのようにすればいいと思います。
一方で金銭的サポートを出しても優秀な学生を集めたいと思う大学／研究室は
そのようにするでしょう。
独法化の時代ですから、それぞれのポリシーに従って競争すればいいと思います。

現時点でも、育英会と合わせれば十分バイトせずに暮らしていけるだけのサポートを
出しているところもあれば、育英会すら十分行き渡らないところもあるわけで、
現実は既に上に書いたような方向に動きだしていると思います。

学生は海のものとも山のものともつかないと言われますが、
授業や実習で接していても明らかにデキが違う学生というのはいます。
私が研究室を主宰する立場なら、そのような学生にはバイトなどで時間の無駄使いを
してほしくはないですね。研究費から給料を払うことが可能ならそうするでしょう。
でも院生と言うだけで全員にまんべんなく払う、ということはしないでしょうね。　

2003 / 3 / 25 Tue 14 : 33 : 22 記入　　削除

【1934】　　一、院生さんへ 　　* * * * *　ハグ

> 論文よんで、実験して、データまとめて、ディスカッションして。他に何も悩まなくていい、
> そういう環境が欲しい。仕事を楽しみたい。おかしいですか？

別におかしかないけど現実離れしてますな。

大体、なぜ大学院生だけにそんな結構な環境を与える必要性があるのでしょう？
他の事にに何も悩まされずに音楽に打ち込みたい、野球を楽しみたい、絵だけ描いていたい、
エトセトラエトセトラ．．．そんな人は世の中にたくさんいます。大半の人がそうかもしれません。
しかし実際にそんな環境にいる人は、いたとしてもほんの僅かで、
皆それぞれに現実と折り合いをつけて暮らしているのです。
あなたの場合は好むと好まざるとに関わらず、バイトはしないといけないでしょうね。

ところで学費免除の制度はないのですか？
私の場合は大学院入学直前に父が急死し、学費を全額免除して貰いました。
元々大学院以降はバイトと育英会でまかなうつもりで親からの援助を受ける予定はなかったのですが、
やはり学費を免除してもらうとずいぶん助かりましたよ。
> 結局は親のサポートが受けれない裕福でない人間は、研究に専念する事許すまじ、ということでしょうか。
ということは、私の場合ありませんでした。バイトはしてましたが、十分研究に専念できました。
そりゃ贅沢を言えばキリがありませんがね。　

2003 / 3 / 25 Tue 14 : 31 : 10 記入　　削除

【1933】　　追記　　* * * * *　 一、院生

>金銭的サポートはPDからでいいでしょう

　研究活動の「対価として」金銭を受けるのは、一人前の研究者として認められる素地を有する人間、PDからでいいと思います。ただ、まだ研究者として一人前でない人間が、早く一人前になるために、研究に専念するために、必要最低限の学資支援を受けられる、そういうシステムはあってもいいんじゃないでしょうか？現時点で、育英会の奨学金システム以外には、私には何もないんですよ。
　国立大学でも年額50万円程度の学費が要りますよね？育英会奨学金の残額はいくらでしょう？毎月の生活費をいくらにすればよいか。結局は親のサポートが受けれない裕福でない人間は、研究に専念する事許すまじ、ということでしょうか。一面、私の我侭かな。　

2003 / 3 / 25 Tue 13 : 12 : 13 記入　　削除

【1932】　　結局はただの愚痴なんですけど。 　　高専/大学(院) 学生２０代男性 *　 一、院生

　レスをどうも。
　いろいろと難しそうな事を、さもわかっているような書き方をしましたが、私はなにもわかっていません。

　しかし、これだけはいえる。
　私は、ドクターの課程にいて、来年度のその学費を払う目処がたたないでいる。育英会からの奨学金だけでは、年額70万円の学費を納め、かつ生活の全てをまかなうことはできない。
　不足分をまかなうために、アルバイトをする。できれば、自分のいまの研究に関係するアルバイトがしたいが、そのような仕事はない。残念である。
　優秀な学生に、財政援助の制度があることは知っていた。「優秀な学生」の定義は、論文になっている結果があるかないかである。私には、ない。

　優秀でない学生が3年で学位を取れるか？キビしいですよね。ただでさえそうなのに、学費、生活費がないからアルバイトしなければいけない、そのせいで時間をとられる。結果はどうなるか。明らかである。

　私は研究でメシが食えるようになりたいです。研究がしたいです。まだ、わかっていないことを明らかにして、それを通じて社会に還元したい。そう思っています。お金がない私がそう願って努力する事は間違っていますか？学生に財政支援を与える事ができないボスを選んでしまった私は進路選択を誤りましたか？もう解決策はないのですか？

　望まれる教育の方向
　大学の制度がどうとか、区分がどうとか。私にはよくわからない。でも、学びたいという学生を「優秀でないから」「裕福でないから」はじき出す、か。優秀になりたいから、私はここにいます。業績をあげて、「私はこういうことが出来る人間です」そうアピールできるようになりたいから、ここにいます。既に優秀な人間であれば、そう自負できるのであれば、然るべき対価をいただけることがわかっている企業に、研究機関に行っていたでしょう。私は優秀でない。裕福でもない。私は、博士課程の学生として失格ですか？

　望まれる教育の方向
　現実問題として、私は、学びたい意欲がある人間が、学問に専念できる環境を整えて欲しい。他に何も悩む事がなくなって初めて、より高尚な次元で議論ができるのではないでしょうか。はっきりいって、私は、所属する研究機関がどのような分類になるとか、そういうのはどうでもいいです。論文よんで、実験して、データまとめて、ディスカッションして。他に何も悩まなくていい、そういう環境が欲しい。仕事を楽しみたい。おかしいですか？

　もちろん、似たような状況の院生も多いだろうし、もっと厳しい状況で努力して、実績もあげている人もいるんでしょうけどね。うちは私立の医療系総合大学。ボンボン、おぼっちゃん、おじょうちゃんの巣窟なので、同じ境遇の人間っていないんですよ、、、。だから、余計に苦しく思える。仲間がいないってつらいですよ。

　自分で選んだ道です。とはいえ、私は今の自分が、かつて社会人として働いていた時よりも一生懸命に働き（研究し）、その当時よりも少しは優秀になったことを知っています。お金を満足いくほど頂いて、物質的に豊かな暮らしをしたいとは露ほども思っていません。しかし、少なくとも、毎日３食、お米のご飯をしっかり食べたい。そう思う事が贅沢だとは思わない。おかしいですか？　

2003 / 3 / 25 Tue 12 : 59 : 56 記入　　削除

【1931】　　金銭的サポートは 　　* * * * *　 和麻呂

直接的な金銭的サポートはＰＤからで良いでしょう。

Ｍ１～Ｄ２ぐらいの大学院生は、まだ海のものとも山のものとも
わからないのだから、高度学術研究大学院とはいえ、
若い学生に、お金出すのは適当だとは思いません。
授業料を抑え、かつ、高コストの研究が行える環境を提供すること
で、十分にサポートされています。

研究の規模が大きくなればなるほど、研究者とテクニカルスタッフを
区別することが大切で、高度研究を行っていても、学生が
テクニカルスタッフ的に使われるだけで、次世代を育てないので
あれば教育機関としてはじり貧になります。

高度学術研究大学院というのは、研究専属の教官”も”一定の割合
配置できる大学院の事であって、所属する教官全員が
研究専属となる事では無いと思います。　

2003 / 3 / 25 Tue 10 : 59 : 00 記入　　削除

【1930】　　院生に給与 　　* * * * *　ハグ

> 例えば、企業側として、属する社員一人を大学に受け入れる代わりに、
> その大学の大学院生一人に対し、経済支援を行う。支援の財源は社員の給与、
> 賞与をカットすることで賄う。社員が大学院で学ぶ為にかかる人員の不足
> は、支援を受けている大学院生が埋める（つまり、その会社で働く）。

働いてその分の賃金を貰うなら、アルバイトと何が違うのでしょう？
むしろ正社員の穴埋めとなると、それだけ各種の縛りもきつくなって大変そうですが。

> アメリカ式に科研費から院生に給料払えるようにしてとはいいません。

これ、日本でもできますよ。
他にもＴＡ、ＲＡとして院生に給料を払う大学も多いですし、
最近では２１世紀ＣＯＥの資金を元に院生に給料を出すところもありますね。
優秀な学生を集めたいところは、それなりにいろいろ考えているようです。

無理矢理本題に戻すと、ありんこさんが書かれた分類に倣って大学院も
○教養大学院
○職業人養成大学院
　　・高度職業人養成大学院
　　・職業人養成大学院（即戦力）
○高度学術研究大学院
と分かれていくのでしょうね。そこに所属する院生に対しても下に行くほど
サポートが手厚くなると。まあ必然的な流れだと思います。　

2003 / 3 / 24 Mon 20 : 06 : 42 記入　　削除

【1929】　　社会人、会社、学生② 　　高専/大学(院) 学生２０代男性生化学　 一、院生

　この3月（H15年)に父が定年を迎え、これまでは学費を依存していましたが、次年度、次次年度と、学費をも自前で捻出することになりました。そのために、夜勤のアルバイトを見つけ、月6～8日、出勤することになりました。そこで、社員の方と話していて、少し違和感を感じたこと一件。
「私も大学院いきたいんですよ～。いいですねー。」
　何故、違和感を感じたか。それは、「大学院で学ぶ事よりも、職場で、自分の負っている業務について、もっと学んだ方が良いのでは？」ということから。私のごくごく狭い体験、視点からはすべてを一般化することは出来ない、危険だとは思うのですが、組織に属する社会人として、その組織で学ぶ事はもっとないのか、ということです。それに、大学院で学んだ事が職場での仕事に直結してすぐに役立つかというと、サイエンスの分野で、特定の技術を学びに来ると言う場合を除いて、そうそうないと思うんですよね、、、。バイト先での社員さんの場合は社会科学系の大学院で「勉強（講義・座学というイメージを受けました、、、）」がしたいということでして、それが業務に直結するとは思えなかったんですよね、、、。それに、私が月～日で毎日大学に入り浸って、朝から晩まで実験室に篭りきってるっていうのもピンと来なかったみたいだし。仕事がおわった後の余暇時間の過ごし方として「大学院」を選ぶというのであれば、それは大学院＝カルチャースクールという等式を成立させる、、、。
　私の上述の話をかいつまんでまとめると
「大学院生にカネ払え」
「社会人は大学院に来る事考えるな。もっと仕事せい」
　になっちゃうんですけど、、、。

　現に働いている社会人に門戸を開く事も大切です。いつまでも学ぶ意欲を持ち続けること。これがヒトがヒトであり続ける、、、なんというか本質であると考えています。この本質を踏まえたうえで「大学院を社会人に広く門戸を開いていただきたい」といいたい。その方向として「「大学院生を独立した生計を営むもの」として、社会人の端に加える道をもう少し拡張して欲しい」というのを改めて加えて欲しい。

　例えば、企業側として、属する社員一人を大学に受け入れる代わりに、その大学の大学院生一人に対し、経済支援を行う。支援の財源は社員の給与、賞与をカットすることで賄う。社員が大学院で学ぶ為にかかる人員の不足は、支援を受けている大学院生が埋める（つまり、その会社で働く）。というシステムはできないものでしょうか。そうすれば、さらに学問を究めたいと思う会社員の要望、会社側の都合、院生の資金問題も可能な限りかなえられると思うのですが。まぁ、収入カットされてまで学びたいと思う社会人の方がどれだけいるかという話もありますし、企業、会社員、大学院生の三者全てが満足できる関係って難しいとは思いますが。

　アルバイト探すにしても、実験アシスタントとか、自分の研究にそくした仕事なんて皆無に近いし、まったく別業種の仕事で、お金を得る為の時間の切り売りをしなければならない私の戯言でした。旧帝系国立どころか私立弱小大で、研究の先輩から後輩への引継ぎすら行われないうちのラボ。学振なんて夢のまた夢。アメリカ式に科研費から院生に給料払えるようにしてとはいいません。あー、ちゃんと返すから育英会の奨学金、貸与額増やしてくれへんかな、、、。
　とりあえず今夜のご飯どうしよう、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
　

2003 / 3 / 24 Mon 15 : 20 : 56 記入　　削除

【1928】　　社会人、会社、大学① 　　高専/大学(院) 学生２０代男性生化学　 一、院生

「大学院を社会人にも開放する」

　非常に素晴らしい事だと思います。ただ、逆に「大学院生を社会人にする」という方向にも進められないものかと日々考えております。

　今更私が吠えなくても、日本の大学院生に対する経済的支援が不十分なことは、特に自然科学系、実験系の方々は充分にご承知の事かと思います。大学院、殊更に博士課程に進学するか否かについて悩む修士課程の院生は多いかと思いますが、その「悩み」の少なくとも一部は博士課程での学資をどうするか、とその間の生活費をどうするか、に占められますよね。少なくとも私はそうでした（そうです＠現在進行形）。ストレートにいっても、Dr.に入学できる年齢は24歳。学位取得時には27歳。この年齢まで学費、生活費を親に負担してもらうのは相当のストレスです。ストレスですめばラッキー。うちは父が定年したため、頼ることができないでおります。育英会から借金するにしても、月額12万円弱（育英会1種、博士）。年額144万円。国立大学でも、この程度の「貸与」額では学費、生活費を賄う事は到底不可能です。アルバイトをするにしても、実験系院生の研究ははどれだけ時間があっても足りないのが現実。その時間の中からさらにアルバイトする時間を工面しなければならない。また、バイトとはいえ、給料を貰っている以上、その組織の都合も考えるのがスジ。今月は実験が忙しいのでこんなに出勤できません、では仕事ありませんです、、、。
　それに加えて、その間、もし会社員として勤務したと仮定した場合の逸失利益（といっていいのかわかりませんが）はどうでしょう？。学部卒月給20万としても、年収340万（ボーナスを年5ヶ月として）。それを5年分で1700万。ベースアップを考えたら、学部卒で就職すれば得られるはずの収入はそれ以上になるはずです。ちなみに、私は高卒で公務員やってまして、2年弱で退職、学部、修士、博士と過ごすうち、公務員同期の話と照らし合わせ、D1現在、やっぱり収支で2000万円以上の現金をフイにしたことになってます。
　もちろん、自分の意思で、自己責任で退職し、以後の進路決定も自分がそうしたいから、と選択してきましたし、後悔しているわけではありません。毎日3度ご飯食べれないことがあっても、週に数度しかお風呂にはいれなくても、やりたいことをやっている事に、そういう環境を得られたことに喜びを感じつつ過ごしております。しかし、やっぱりたまには自分の選択を「これでよかったのかな？」と悩む事があります。奨学金振込み前で、米もなくて、味噌を水にといただけのものを食事にしてるときなんかは特に。先輩が、ポスドクの身で数年先のビジョンも持てずに、雇われ先のボスの小間使い兼テクニシャンになっているという話を聞く時も。
　

2003 / 3 / 24 Mon 15 : 18 : 13 記入　　削除

【1927】　　ある意味では顧客ですね。 　　* * * * *　 ---

　研究の目的意識ができて、大学に戻ってくることは素晴らしいですね。（大学教授を退官されてから、少し違う分野の大学院に進まれた先生には、頭が下がりました。）

　独立法人化後は、大学院を社会人に広く門戸を拡げるためには、夜間コースも増えるようですね。　

2003 / 3 / 13 Thu 20 : 04 : 21 記入　　削除

【1926】　　学生も顧客？ 　　高専/大学(院) 学生 * 女性経営学　 yumi

こんにちは、はじめて書き込みます、yumiです。

昨年から、名古屋地区の大学院に通っています。
ありんこさんの投書を読んでて、すごく共感？を感じますが、ここの大学院は徹底した社会人育成＆社会人向になりつつあって、経営的には、すごいなーと
感心します。特徴としては、

・ほとんどの授業がケースメソッド
・しかも思考プロセス重視
・半期毎に授業の評価を学生が行い、低得点だと講座がなくなる
・授業の時間帯が10：00-21：30
・ウィークエンドプログラムが多い　などなど・・
ちょっと資本主義すぎるとは思いますが、機能別に特化するには、
この位徹底したほうがいいかもしれません。特に文系は・・

これからは、日本の大学も新卒だけでなく、社会人を相手にしていかなければ、採算が取れなくなるんじゃないでしょうか？
アメリカの大学は、社会人になってから学校に戻るケースが多いそうですね。そういう意味でも、棲み分けは必要だと思います。
でも、大学側-特に教員のみなさまにしてみたら、自分の大学がどの道を行くかが大問題ですよね・・
あと、日本企業が、そういう雇用形態を許すかどうか、も問題です。
　

2003 / 3 / 13 Thu 18 : 04 : 46 記入　　削除

【1925】　　大学の機能分化 　　* * * * *　 ありんこ

大学審議会が大学の機能を
○教養大学
○職業人養成大学
　　・高度職業人養成大学
　　・職業人養成大学（即戦力）
○高度学術研究大学
のように分化させ、それぞれの大学が多様な位置づけ・個性をもつように求めているようです。

教養大学・職業人養成大学をでた学生は即戦力として就職して社会人に、
高度職業人養成大学をでた学生はロースクールやビジネススクールなどのより専門的なことを学んでから社会人に、そして、高度学術研究大学を出た学生は研究大学院にすすみ、研究を極める・・・わたしはこの制度は、学生が今より目的をもって、また今より自分にあった大学を選べるように思いますので、賛成です。

関連した例として、わたしの父は国立大退官後、地方の私立大学（いわゆる低偏差値大）につとめていますが、そこでは、徹底して、職業人養成のためのカリキュラムがくまれているそうです。大学のある場所が中京地域ということで、自動車メーカー（トヨタ）のお膝元であることから、とくに自動車技術関連の教育や資格取得に力をいれているようです。そういったこともあって、この不景気にもかかわらず、いわゆる３流大学だというのに、就職率はよいようです。そもそも、その大学に入ってくる学生も研究指向の学生はほとんどおらず、みな、「メーカー就職希望だが、一応大学はでとかないと・・・」という考えですので、このような実学を中心にすえ、就職を延長線上においた教育システムは理にかなっていると感じました。　

2003 / 3 / 11 Tue 11 : 41 : 59 記入　　削除

【1924】　　今時の若者を信じたい（３） 　　* * * * *　 bloom

映画「千と千尋」の中で、弱っちい小学生は必要に迫られた時にきちんと力を出しています。私は人間の本能などそんなに簡単にダメになるとは思わないです。
私が「今時の子供は文明に毒されて何も出来ない」と言うなら、私も上の世代にそう言われてもしょうがない。でも私は精一杯生きている。

学生もその時代に合わせて精一杯生きていて、時代が変わればまた新しい力を発揮するはず。それまで使わない力は、敢えて教えなくてもいいんじゃないかと思います。次はどんな時代が来るか分からない、だから心の中に色々な物を秘めておくのだよ、そんな事しか学生にも自分の子供にも教えられません。

余談になりますが、私は英会話教育にも懐疑的なんですよね。研究者の自分でさえ１年に何回も使わないのに、小学生に教える必要あるのかな？と思います。島国の日本人は読み書き中心で良くて、英会話なんて使う時になって初めて勉強すればいいのに、と考えています。　

2003 / 3 / 8 Sat 1 : 11 : 37 記入　　削除

【1923】　　今時の若者を信じたい（２） 　　* * * * *　 bloom

そんな事を考えるようになったきっかけは、会社員時代に見てきたオヤジ達の姿です。ラブアンドピースとか安保反対に燃えたあの当時の人々は、思いっきりノンポリになっていました。
要するにその時は学生運動に関わる方が生きやすかっただけで、どんな時代でも自分で考えて行動する人などほんの一部だと思います。

かく言う私も果たしてどこまで自立しているか分からない。だから学生には根拠や目的の無い情熱は求めません。彼等に与えた研究テーマが社会においてどのような位置づけなのか、今これに取り組む事が社会に出た時にどういう意味を持つのか、現状に即した動機付けは出来るように努力はしていますが、意欲を持つかは本人次第です。

ただ、挑戦する気持ちも抑えるつもりはありません。出る杭は打たれるが、出過ぎれば打たれない・・というけど、出過ぎた時の苦しみを少しは分かっているし、引っ込もうと自分を抑えた時の苦しみも知っている。だから学生達がどちら側に進んでも応援したいし、自分の経験や知識の中で伝えられるものは与えたいです。

でも見返りは求めず、あくまで仕事だから・・と学生にも伝えています。
教官の中には情熱という大義名分の元、自分の価値観を押しつける人々が多い事にうんざりしています。「学生は自分の子供だ」と言いながら学生を追いつめていく教官もいます。学生は子供なんかじゃない、色々な事を一生懸命考えている大人です。尊敬の念を持って付き合う相手です。

　

2003 / 3 / 8 Sat 1 : 02 : 28 記入　　削除

【1922】　　今時の若者を信じたい 　　* * * * *　 bloom

このテーマは妙におとなしいスタートですねぇ。ちょっと波風立てるという意味もあって発言します。

私は「今時の若者は・・」という論調はあまり好きではありません。

＞今の若い人々について言えることは、ある種のもろさです。

私達が強いところで弱く、弱いところで強いと思います。就職戦線が厳しい事もあって、資格を取ったり職業意識を高めるための勉強をする姿など、自分の若い頃よりずっと立派に見えます。

＞留学生は恵まれた環境にいる人も、お金に困ってバイトをしながら勉強している人も、どこか精神的に強いものがあります。

彼等は本国では超エリートですから日本の一般学生と比べる事に無理があります（彼等の国にもボ～っと暮らしている人がたくさんいる）。また、彼等は勉学が生活レベルの向上に直接つながっていますが、今の日本の学生がにはそのような成功の図式が無いため、モチベーションが下がるのは当然でしょう。

＞日本の教育は何か、最初に教えるべき大切なものを教えずに教育したと自画自賛しているところがあるのではないでしょうか？

それは学校で教える事でしょうか？

＞自分で課題をみつけることが下手だということ。

現代の日本は自分で課題を見つける事に必要性も意義も薄い社会になっています。ある意味、彼等の姿は現代の社会システムに適応しており、その昔に熱意に溢れているように見えた日本の学生の姿も当時の社会のシステムに適応していたに過ぎないと思うのです。　

2003 / 3 / 8 Sat 0 : 34 : 37 記入　　削除

【1921】　　教育のありかた 　　* * * * *　 ありんこ

研究のなかで大切なのは「何をしたいか」という目的を明確に持てる事だと思います。そういった中で、ねこの手さんが、出会われた若い人たちのように、「何をしたいのか」自分でもわからず、無為に（ゲームなどで）時間を過すというのでは教育以前に問題ですね。
もう１つの問題は与えられた課題（ゲームなんてその典型的なものでしょう）はよくこなすし、それに対しては食指は動くが、自分で課題をみつけることが下手だということ。これは受験を重視した教育の弊害かもしれませんね。

いわゆる発展途上国からの学生たちは教育を受けることさえ困難なところから来ているので、いわゆる目的意識をもっているし、研究環境の整った日本で成果をあげて、あわよくばステップアップして欧米へ留学か、あるいは故郷に錦を飾ろうという気概できています。そういった意識の違いが、日本の学生の無気力さの中で余計に際立って感じられるのでは。　

2003 / 2 / 24 Mon 11 : 57 : 04 記入　　削除

【1920】　　教育のあり方について 　　* * * 女性生物学　 ネコの手

私は教官ではありませんが、何人かの若い学生や留学生や会社勤めの専門職の人々に接して、感じたことを述べます。

今の若い人々について言えることは、ある種のもろさです。
ちょっと怒られると、すぐに全く無反応になるか、つんとむくれるか、または萎縮してしまう人が多いのです。そして解決策を知らないのです。前に短期で世話を見た学生さんは、自分は実験はしたくないと宣言し、研究室のコンピューターでいつも遊んでいました。研究室がどういうところか、自分から進んで理解しようとせず、また周囲も何も言えませんでした。

会社勤めの人でも、一応学生より礼儀作法は心得ているのですが、何か心ここにあらずと言ったような、良く言えば仙人のような、悪く言えばちょっと抜けたようなものを感じます。

それに比べて、留学生は恵まれた環境にいる人も、お金に困ってバイトをしながら勉強している人も、どこか精神的に強いものがあります。
きょうのXX新聞に、中国の大学で教えている人が、「中国の学生が明確な目標を持ち、生き生きと学び、生活しているのはまぶしいくらいだ。」と述べています。私も教えていたのはいわゆる開発途上国の人ばかりでしたが、同じようなまぶしさを感じていました。

日本の教育は何か、最初に教えるべき大切なものを教えずに教育したと自画自賛しているところがあるのではないでしょうか？
最近バイオテクノロジーが脚光を浴びていて、バイオ関係の大学の競争率が高いそうですが、大学の先生は研究の競争も大切でしょうが、学生達にバイオのテクニックより、まず自分を見つめなおす機会を与えてやり、適切なアドバイスを与えてやれる教官になってもらいたいと思います。
　

2003 / 2 / 23 Sun 15 : 32 : 32 記入　　削除

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【1918】　　新テーマはタイムリーに 　　高専/大学(院) 教官３０代女性 *　 bloom＠会議室管理人

毎回、テーマ変更はサポーターさんと私でいくつか案を出して、当番のサポーターさん（持ち回りになっています）が選ぶというスタイルで進めています。今回は大学改革が時期的に良いのではないかという話になりました。
自分が大学生・大学院生だった頃を思い返しても色々言いたい事はあり、現職の教官としても色々言いたい事はあり・・というところです。

まずは教育のありかたについて、皆様の御意見をお願いします。　

2003 / 2 / 17 Mon 0 : 20 : 38 記入　　削除