水戸少年刑務所(茨城県ひたちなか市)の刑務官の私物パソコンがファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のウイルスに感染し、同刑務所に収容されている受刑者約120人分の氏名などがインターネット上に流出した。現在、同刑務所に収容されているのは成人ばかりで、逮捕当時未成年だった受刑者の情報は確認されていない。
法務省矯正局によると、流出したのは、受刑者のほか、職員約900人の氏名など。この刑務官は今年4月ごろ、上司から故障した業務パソコンのデータ修復を依頼され、無断でハードディスクを自宅に持ち帰った。私物パソコンの復元ソフトを使って修復しようとしたが、ウィニーのウイルスに感染し、上司のデータが流出したという。
今月16日、内閣官房情報セキュリティセンターから法務省に連絡があり、情報流出が判明。ウィニーの使用について、刑務官は「ウイルス対策もしており、感染するとは思わなかった」と話しているという。
昨年2月にも、京都刑務所の刑務官の私物パソコンがウィニーのウイルスに感染し、受刑者情報を流出させたことが発覚。矯正局は内部データの施設外持ち出しを禁止する通達を出していた。
梶木壽(ひさし)矯正局長は「原因や背景について迅速、適切な調査を実施し、再発防止の徹底を図りたい」とコメントした。【坂本高志】
毎日新聞 2007年10月25日 18時27分 (最終更新時間 10月25日 19時31分)
10月25日 | 水戸少年刑務所:受刑者氏名情報がネット流出 |