ササニシキなどのルーツとなった「亀の尾」の古里、山形県庄内町は良質米の産地であることをPRしようと、11月から12月にかけ、「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」を行う。食味計を使った評価に頼らず、計300人の審査員が実際に食べて味わいを採点するのが特徴。全国の産地から集まる自慢の300点の中から頂点を決めるユニークな試みだ。
コンテストは、亀の尾を育成した同町の阿部亀治(1868―1928年)の顕彰祭が今年80周年となったのを機に、町が企画した。
出品されるコメ300点と審査員300人は全国から公募。コメは地元生産者のほか、7割が他県の産地からエントリーされ、審査員も首都圏を中心に全国各地から集まった。
審査方法は、例えば「Aさんのササニシキ」を3合(約450グラム)ずつ10袋に小分けし、出品300点を計3000袋にする。町は産地を伏せたまま審査員宅へ無作為に10種類送る。予選として11月3―16日、各自が炊飯して食べ比べ、食味の良いベスト3に点数を付けて報告。町は得点結果を集計し、上位30点を決める。
予選を通過した30点については12月1日、審査員10人と有識者らが町内に集まって決勝大会を行う。6ブロックに分け、各上位2点がトーナメントに進み、最優秀賞1点、優秀賞2点などを決める。
町産業課は「先進地の静岡県やコメ卸業界のコンテストは食味計による判定でふるいに掛けられ、食べられないまま予選落ちするコメが圧倒的に多い。今回はすべて舌による採点とし、食べた感想を伝えることにしており、生産者にとっても満足のいく大会になるのでは」と話している。
連絡先は庄内町産業課0234(42)0169。
|