飲酒運転とアルコール依存症の関係調査へ 警察庁2007年10月23日12時50分 飲酒運転とアルコール依存症との関係を探るため、警察庁は08年度、違反者を対象とした初の実態調査に乗り出す。飲酒運転への厳罰化が進むなか、福岡市で子ども3人が亡くなるなど悲惨な事故はなくならない。アルコール依存症の人は飲酒運転を繰り返すとする調査結果もあり、同庁は「実態を把握して飲酒運転の常習者への教育などに生かしたい」としている。 アルコール依存症は酒を飲みたいという欲求を抑えられなくなるなどの疾患。04年に厚生労働省の研究班が発表した世界保健機関(WHO)の基準に基づく調査で、依存症の人は全国に推計約82万人いるとされる。予備軍は約440万人いると言われている。 一方、警察庁が、05年の飲酒運転事故の運転者を調べたところ、過去3年以内に飲酒運転で摘発されていた人は、死亡事故で8.3%、事故全体で7.5%いた。飲酒運転で捕まっても、懲りずに酒を飲んでの運転を繰り返している人が少なくない実態がうかがえる。 そんな中、同庁が調査を決めたのは、飲酒運転の背後にアルコール依存症の問題がどの程度あるかを確かめるため。飲酒運転による免許停止処分となった全国約3千人を対象に、飲酒の頻度や運転に対する意識などをアンケートする。あわせて、依存症について医療関係者への聞き取りや文献調査も進める考えだ。 飲酒運転違反者をめぐっては、警察庁は、飲酒運転処分者を対象に、シミュレーターで飲酒運転を疑似体験させるなどの「飲酒学級」を催すように全都道府県に呼びかけている。刑務所も、飲酒運転による受刑者を対象に、アルコール依存症対策などを強化する方針だ。 同庁のまとめでは、06年の飲酒運転による死亡事故は611件で、10年前の半数以下に減少した。一方、飲酒運転の取り締まり件数は同年で12万5000件にのぼる。 PR情報この記事の関連情報社会
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