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<浦和・城南>PK戦を制した浦和イレブンは歓喜のダッシュ
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浦和は24日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦でPK戦の末に城南(韓国)を下し、日本勢として初の決勝進出を決めた。第1戦に続いて2―2で90分を終え、2戦合計4―4。延長でも決着がつかず、PK戦でGK都築龍太(29)が、FW崔成国(チェ・ソングク)のシュートを止めて死闘を制した。セパハン(イラン)と対戦する決勝(11月7、14日)に勝てば、12月のクラブW杯への出場権を獲得する。
【試合結果
ACL特集】
死闘を制し、アジア制覇の夢をつないだ。120分、アウエーでの第1戦を含めれば210分の戦いでも決着はつかず、勝敗はPK戦に。城南の2人目・崔成国が蹴る時、サポーターとチームの願いがGK都築の肉体に宿った。「相手がボールしか見てなかった。だから動かなかった」。左右に跳ぶことなく仁王立ち。読み通り、目の前に来たボールを天に突き上げるようにはじく。浦和に勝利の女神が舞い降りた。
誰もが満身創痍(そうい)で、限界を超えた戦いだった。後半45分、ことごとく相手ボールをはね返してきた最後の砦(とりで)、闘莉王が負傷交代した。「パスをもらう時、踏ん張ったら左太腿裏に電気が走った。(筋肉が)切れたね」。序盤から猛然と走り続けたツケか。決して自ら弱音を吐かない闘将がベンチに「×」印を送り、担架で運ばれた。
だが、絶体絶命の危機が浦和の底力を導き出した。阿部は言う。「気持ちは残していってくれた。なおさら、やらなくてはという気持ちを託された」。阿部自身、延長終了後には全身がつり、円陣すら組めなかった。PKを蹴る直前までトレーナーの手を借りて体を伸ばした。それでも「ひと蹴りくらいは大丈夫だろうと思って蹴りました」。決死のPKゴールだった。
チーム全体の執念でつかんだ決勝への切符。5人目のキッカー、平川のゴールが決まった瞬間に赤い歓喜の輪ができた。まるで優勝したようなシーン。左太腿を痛めた闘莉王も右足で走って加わった。「こんなにうれしいことはない。久々に感動した。レッズは今までにない強さを身につけた」。25日にも精密検査を受けるが「(決勝で)中東にはぜひ行きたい」と吠えた。
先制し、逆転され、それでも韓国王者を退けた赤い悪魔。平日開催では史上最多となる5万1651人の大合唱「We are REDS」は、いつまでも鳴りやまなかった。ついに、アジアの頂点に手をかけた。
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