老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)の消費期限偽装問題で、11種類の朔日(ついたち)餅について、原材料表示がJAS(日本農林規格)法に定められた加工食品品質表示基準に違反していたことが分かった。基準では原材料を重量順に表示するよう求めているが、これを無視し、一部を表記していないケースもあった。赤福は「認識不足」と説明しているが、農林水産省関係者は「重量順に表記するのは食品製造に携わる者にとって基本中の基本。あまりにもずさんだ」と指摘している。
朔日餅は1月を除く毎月の月初めに限定して、それぞれに名前を付けて販売している。全部で11種類あるが、このうち10の餅で、最初に表示しなければならない「砂糖」を「小豆」や「餅米」の後に表示していた。さらに、栗餅(10月販売)では使用している「くりあん」と「くり甘露煮」を表記せず、よもぎ餅(3月販売)では「よもぎ粉」を表記していなかった。
農水省は今月12日、主力商品「赤福餅」の原材料表示についても「砂糖、餅米、小豆」の順に表示しなければいけないところを「小豆、餅米、砂糖」と表示していたとして改善を指示している。赤福は認識不足による誤表記だったと強調しているが、同省関係者は「小豆と餅米で作っており、砂糖は控え目という商品イメージを確保したかったからではないか」と話している。【飯田和樹】
毎日新聞 2007年10月25日 3時00分