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コリア国際学園が大阪に来春開校 大学進学にも注力 (1/2ページ)
在日韓国・朝鮮人の子供を対象にした中高一貫のインターナショナルスクール「コリア国際学園(KIS)」が来年4月、大阪府茨木市に開校する。民族教育を中心とした既存の民族学校とは一線を画し、「現役合格」を“看板”に大学進学にも力を入れるのが最大の特徴。韓国語を中心に日本語、英語で授業を行い、学習指導要領にとらわれないカリキュラムを組むという。理事長には政治学者の姜尚中・東大教授が就任する予定で、在日社会の注目を集めている。
■民族学校と一線
在日韓国・朝鮮人の子供を対象にした民族教育は、戦後1世が設立した朝鮮学校などで行われてきたが、在籍する児童生徒数は年々減り、学校の統廃合も進行。
文部科学省によると、朝鮮学校の場合、平成15年の90校、約1万2000人から18年には79校、約1万500人に減少。民団系も各種学校を含めて4校のみで、学齢期にある子供たちの大半が日本の学校に通っているのが現状だ。
在日4世、5世の登場による世代交代や、国際結婚や仕事などのために来日した「ニューカマー」と呼ばれる人たちが増えるなど、在日社会も多様化しており、時代のニーズにあった学校を求める声が2世らの間で強まっていたという。
民族学校出身のKIS設立準備委員会メンバーは「民団系、総連系どちらの学校にしても、どうしても国家を意識せざるを得ない。“限界”がある」。
姜さんも「在日コリアンが最も多い大阪では、民族団体などとのしがらみも強い。そこからKISの構想が自然発生的に生まれたことの意味は大きい」と指摘し、大阪に開校する意義を強調。「在日コリアンは国と国のはざまで苦しんできた。北か南かではなく、国境をまたいで活躍できる『越境人』を育成したい」と話す。